2007 Fiscal Year Annual Research Report
TGFβ1を用いた卵巣明細胞腺癌に対する治療戦略の開発-分子標的治療を目指して-
Project/Area Number |
18591850
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
小宮山 慎一 Fujita Health University, 医学部, 講師 (80256312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 清志 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (60208478)
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Keywords | TGFβ1 / 卵巣明細胞腺癌 / 分子標的治療 / 抗腫瘍効果 |
Research Abstract |
卵巣明細胞腺癌細胞株を用いて、SCIDマウスによる皮下移植モデル(早期癌モデル)を作成し、TGFβ1およびプラセボを(1)腫瘍への直接投与、(2)腹腔内投与、の2群に分けて行い、摘出腫瘍重量を測定し比較した。さらに摘出腫瘍のBrdU labeling indexを算出し、腫瘍増殖能として比較した。その結果いずれの群においても、TGFβ1の投与により腫瘍重量および腫瘍増殖能は抑制される傾向にあった。また卵巣明細胞腺癌細胞株を用いたSCIDマウスによる癌性腹膜炎モデルを作成し、TGFβ1およびプラセボを腹腔内投与し、腹腔内腫瘍重量および他臓器の転移巣の重量を測定し、抗転移抑制効果の有無に関しても検討した。その結果、TGFβ1の投与により、癌性腹膜炎が抑制され、転移部位の腫瘍重量も抑制される傾向にあった。 in vitroの実験として卵巣明細胞腺癌細胞株を用いて、既存の抗癌剤(paclitaxel, irinotecan, cisplatin)にTGFβ1を併用した場合の増殖抑制効果を、MTTアッセイにより検討した。その結果、いずれの抗癌剤との併用においても、より強い増殖抑制効果を発揮する傾向にあった。TGFβ1の併用により、抗癌剤の投与量を減量できる可能性が示唆された。 卵巣明細胞腺癌株を用いて、TGFβ1を添加した際の各種プロテアーゼ・インヒビターの発現の変化を、Western blot法で検討したところ、MMP2の発現が潜在型および活性型のいずれにおいても抑制される傾向にあり、卵巣明細胞腺癌の進展へ負の作用をおよぼす裏づけとなると考えられた。
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Research Products
(5 results)