2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591851
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
植田 政嗣 大阪医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50223467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺井 義人 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90278531)
竹原 幹雄 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40298766)
金村 昌徳 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40298782)
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Keywords | 婦人科癌 / 遺伝子多型 / 発癌 / 浸潤・転移 / アポトーシス |
Research Abstract |
癌は生まれながらの体質(遺伝素因)と病原体や生活習慣などの影響(環境因子)の両者が複雑に絡み合って生じる疾患であるが、近年、宿主側因子として種々の発癌関連遺伝子多型の関与が注目されている。固形癌の発症関連遺伝子(cancer susceptibility gene)としては、環境発癌物質解毒酵素glutathione-S-transferase (GST)、癌抑制遺伝子p53、細胞増殖シグナル伝達因子HER2、アポトーシス誘導因子Fasが重要であり、特定のDNA領域の欠失(deletion)やsingle nucleotide polymorphism (SNP)として検出される。我々はこれまで本学倫理委員会の承認の下に、子宮頚癌、体癌、卵巣癌患者から同意を得て採取した末梢血リンパ球や細胞病理標本を用いて遺伝子多型解析を行ってきた。その結果、GST isoform (GSTT1)のdeletionやFas promoter-670のSNP (A/G)が頚癌発生に、p53 codon 72のSNP (G/C)が体癌発生に密接に関与することを見い出した。また、これらの遺伝子変異が他臓器癌でもみられる現象か否かを、肺癌、乳癌、腎癌等の培養細胞を用いて比較検討してきた。現在さらに発癌関連遺伝子異常と婦人科癌の発育・進展・再発との関連性を調査しており、survivinおよびそのsprice variantsの遺伝子発現異常が頚癌の発生・進展に、BRAF遺伝子変異が卵巣漿液性腺癌の初期発生に密接に関与することが判明している。今後とも婦人科癌あるいは前癌状態にある患者の末梢血リンパ球DNA検体を積極的に集積して、より大きなcohortでの遺伝子多型解析を進める。さらに、末梢血リンパ球DNAに加えて各患者の手術摘出病理標本からmicrodissectionにより抽出した癌組織DNAを用いて抗癌剤代謝関連遺伝子多型を調査し、臨床的な化学療法奏功度あるいは副作用出現状況との比較から、オーダーメイド治療の可能性を模索していきたいと考えている。
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