2006 Fiscal Year Annual Research Report
スギ花粉症の新規治療法・舌下免疫療法の臨床評価と効果判定法の研究
Project/Area Number |
18591865
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
湯田 厚司 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80293778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間島 雄一 三重大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60024791)
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Keywords | スギ花粉症 / 舌下免疫療法 / 減感作療法 / アレルギー性鼻炎 / ヒスタミン遊離率 |
Research Abstract |
中等症以上の成人スギ花粉症患者23名に新規治療法である舌下免疫療法を2005年11月から継続治療した。2007年春にはスギ花粉飛散期の2年目を迎え、臨床症状と各種パラメーターを検討した。舌下免疫療法初年度は、23名全員で副反応なく安全に施行しえた。初年度の経過は花粉飛散数に応じて臨床症状のでる例が多かったが、鼻アレルギーガイドラインによる症状スコアーが1点台と良好であった。完治例もみられた。花粉飛散期の服薬が少ない点が特筆された。スギ花粉飛散数は1年目と2年目は近似していたが、2年目の臨床症状もほぼ1年目と同じであった。服薬状況も同じであった。舌下免疫療法の効果を判定する目的で、ヒスタミン遊離試験を行った。皮下法による免疫療法ではよく相関する検査で、舌下免疫でも効果判定に利用できると期待していたが、初年度には明らかな相関がみられず、現在2年目の成績を検討している。この他、Th2リンパ球のマーカーでもあるTARC(Thymus and activation-regulated chemokine /CCL17)も検討したが、舌下免疫療法により低下することはなかった。皮下法および舌下法による免疫療法はスギ花粉症に有効であるが、ヒノキ科花粉症には無効な例があり、スギ花粉とヒノキ科花粉の飛散期の症状(無記名郵送によるVAS(visual analog scale)法)とQOL(JRQLQ調査票)を検討したところ、ヒノキ科花粉飛散期で明らかに悪化していた。免疫療法の今後の課題でもある。スギ・ヒノキ科花粉症は2月から4月にかけての年度をまたいでの飛散となるため、今年度の結果の一部は、来年度に解析することとなる。
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Research Products
(5 results)