2007 Fiscal Year Annual Research Report
嚥下障害の病態および重症度の客観的評価法の基準化に関する研究
Project/Area Number |
18591870
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
兵頭 政光 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00181123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇坂 浩之 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (30304611)
田口 亜紀 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00380238)
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Keywords | 嚥下障害 / 客観的評価基準 / 嚥下内視鏡検査 / 嚥下造影検査 / 嚥下反射の惹起 / 声門閉鎖反射 / 咽頭クリアランス / 重症度評価 |
Research Abstract |
嚥下障害患者に対してQOLを考慮に入れた適切な治療を行うためには、客観的な嚥下機能評価基準が必要であるが、これまでは確立された評価基準がなかった。そこで本研究では、嚥下障害患者の病態および重症度を嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査などにより多角的かつ定量的に評価し、嚥下障害患者における嚥下機能評価法の基準化を図ることを目的とした。 愛媛大学医学部附属病院耳鼻咽喉科を受診した脳血管障害および神経筋疾患による嚥下障害例42例(男性35例、女性12例、平均年齢65.3歳)を対象として、嚥下内視鏡検査と嚥下造影検査を施行し、それぞれビデオ録画した。嚥下内視鏡検査のスコア評価項目は1)喉頭蓋谷・梨状陥凹の唾液貯留、2)声門閉鎖反射(気道防御反射)の惹起性、3)着色水嚥下による嚥下反射の惹起性、4)着色水(3ml)嚥下後の咽頭クリアランス、としそれぞれスコア0〜4の4段階にスコア評価した。また嚥下造影検査では、造影剤嚥下後の咽頭クリアランスを0〜4の4段階にスコア評価すると共に、喉頭流入および誤嚥の有無を判定した。 嚥下内視鏡検査結果をスコア評価すると、評価者間のばらつきが少なく、障害程度を客観的に評価することができた。また、嚥下内視鏡検査による咽頭クリアランスは嚥下造影検査における咽頭クリアランスや誤嚥の程度との間に有意な相関を示した。以上より、嚥下障害患者の病態評価においては、1)喉頭蓋谷・梨状陥凹の唾液貯留、2)声門閉鎖反射(気道防御反射)の惹起性、3)着色水嚥下による嚥下反射の惹起性、4)着色水嚥下後の咽頭クリアランスが指標として適しており、それをスコア評価することで客観的な重症度評価が行えると結論した。
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