2006 Fiscal Year Annual Research Report
簡便で定量性を備えた味覚検査法の実用化に関する研究
Project/Area Number |
18591872
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
井之口 昭 佐賀大学, 医学部, 教授 (90193622)
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Keywords | 味覚検査法 / 実用化 |
Research Abstract |
本年度はまず濾紙スティックの製作を行った。濾紙スティックの製作は基本的には試薬メーカーである三和化学研究所に委託し、食品衛生法の基準を満たす工場で生産した。味液の濃度勾配は、庶糖溶液は0.05,0.1,0.2,0.4,0.8g/mlの5段階,塩化ナトリウム溶液は0.016,0.04,0.1,6.25,0.39g/mlの5段階,クエン酸溶液は0.05,0.09,0.165,0.3,0.55g/mlの5段階,塩酸キニーネ溶液は0.0004,0.0009,0.0024,0.006,0.0156g/mlの5段階の味質溶液とし、定量性を確保した。それぞれの味液を48×8mmの濾紙に浸した後、濾紙を乾燥させた。完成後、5セットを用いて検査濾紙毎に濃度のばらつきがないかを現在測定中である。また無菌検査を行ったところ、2週間培養で酸味で5試料中1試料で菌陽性、苦味で5試料中3試料で菌陽性、甘味、塩味では各5試料中全試料で菌陽性であった。これに基づき、食品としての適合性を見るための生菌数検査、大腸菌検査、真菌検査を追加して現在行っている。 また、今回作製した濾紙スティックで改めて正常者30名において味覚検査を行い、正常域を設定した。現在のところ前回とほぼ同様の結果が得られつつある。つまり、各味液の認知はNo1あるいはNo2の濾紙スティックで行われており、両者を合わせると91%となり、No2が正常上限と考えられた。これに加えて当院耳鼻咽喉科外来を受診した味覚障害患者に対しての検討も開始して、データを集積中である。
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