2007 Fiscal Year Annual Research Report
簡便で定量性を備えた味覚検査法の実用化に関する研究
Project/Area Number |
18591872
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
井之口 昭 Saga University, 医学部, 教授 (90193622)
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Keywords | 味覚検査法 / 実用化 |
Research Abstract |
現在味覚障害の診断に使われている濾紙ディスク法検査の普及率は約30%と低い。これは、検査に30分近くかかること、検査液の有効期限が短いことによる。我々の開発した濾紙スティック検査は5分で検査が終了することから簡便である。今回三和化学研究所工場で作成した濾紙スティックの安定性、安全性、有用性を検討した。各味質・濃度毎に測定したが、極めて安定していた。蔗糖を例にとると、0.224±0.027g/L、0.512±0.099g/L、1.236±0247g/L、2.274±0.264g/L、3.988±0.183g/Lと濃度勾配は保たれ、偏差も10%前後であった。また、5味質、5濃度の計25標本において食品衛生基準に基づく一般生菌数、大腸菌数、真菌数を測定した。一般生菌数と大腸菌数はいずれの標本も3.3個未満であり、洋風生菓子基準10^5、食品製造用の水基準100個よりはるかに少なく、味覚検査に当たって口の中に入れても種々の感染を引き起こす可能性はほとんどないことが証明された。また、製造12ヵ月後にも再度一般生菌数、大腸菌数を測定したが、上記基準のはるか下であった。このことより、少なくとも製造後1年の安全性は証明され、今後複数年での安全性の確認を経て長期の検査濾紙の有効期限の担保を得ていきたい。有用性については、35名の正常者において検査を行ったが、各味質とも濃度1で約50%の被験者が正解し、濃度2では約40%の被験者が正解し、この2濃度で90%の被験者が正解し、これが正常域と判断された。味覚障害患者9名についても検査を行い、濾紙ディスクと同様の結果を得た。
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Research Products
(5 results)