2006 Fiscal Year Annual Research Report
好酸球性副鼻腔炎発症機構の検討-実験動物モデル作成を通して-
Project/Area Number |
18591883
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
市村 恵一 自治医科大学, 医学部, 教授 (00010471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 宏 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50245057)
瀬島 尊之 自治医科大学, 医学部, 助手 (20326838)
牧野 伸子 自治医科大学, 医学部, 研究生 (10382946)
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Keywords | 免疫学 / アレルギー・喘息 / 細胞・組織 / 線溶系 / 菌類 |
Research Abstract |
好酸球性副鼻腔炎が難治性病態として問題になっているが、この病態の解明ならびに治療に役立っ動物モデルの作成を目的として、昨年度までに好酸球優位型の家兎上顎洞ポリープの作成を行ってきた。家兎においては好酸球浸潤の優位なポリープがほぼ100%作成できるようになったが、この作成に好酸球ならびに細胞外マトリックスの関与が大きく、それを制御する一つの因子が線溶系であることがわかった。 そこで、本年は今後の研究の拡充のために、七トとのアレルギー関連遺伝子の相同の多いマウスにおいて実験的ポリープを作成することとした。分子生物学的手法などを導入して研究を進め、好酸球性副鼻腔炎の発症機序に迫ることを狙ってである。マウスを用いる利点には、動物の取り扱いが簡便、標本採取が比較的容易、多種のリコンビナント蛋白や抗体が商業ベースにのる、遺伝子のDNA配列が知られているなどがある。OVA感作法がやや異なることを除くと、ほぼ、家兎での作成方法と同一の方法を用いたが、粘膜の肥厚性変化でprepolypoid changeらしい所見は認めたものの、明らかなポリープ形成には至らなかった。この粘膜の肥厚性変化はTIMP-2投与により抑制された。動物種の差は大きく、マウスもモデル動物になりうるかは条件を変えて再検討する必要がある。 真菌が好酸球を誘導することは広く知られており、真菌が好酸球性副鼻腔炎への主要因であるという最近の仮説を検証する目的もあって、ポリープ形成への真菌の影響をみることも今年度の目標であった。真菌のうちで、わが国の副鼻腔真菌症の最も多い原因となっているアスペルギルスでは炎症が起こり、組織のリモデリングが促進される可能性が示されたが、典型的な浮腫性のポリープは形成できなかった。アルテルナリアやムーコルなどによる試行は進行が遅れ、結論は出せていない。
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Research Products
(2 results)