2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトにおける反射性舌運動の発現と、その新しい臨床応用についての基礎的研究
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18591890
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
三枝 英人 Nippon Medical School, 医学部, 講師 (70287712)
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Keywords | 舌咽神経 / 神経線維解析 / 舌骨上筋群 / 舌骨下筋群 / 下顎運動 / 軟口蓋 |
Research Abstract |
(1)舌咽神経の神経線維解析により茎突舌筋に分布する神経線維には、咽頭筋に支配する線維に比較し、交感神経上頚神経飾の線維との吻合が少なく、より横紋筋的運動に適したものであること、更に、舌咽神経の茎突舌筋に分布する神経線維は、その後、上咽頭収縮筋と連続する舌根部分の横舌筋、口蓋舌筋、口蓋咽頭筋に分布していることを初めて判明した。今後、軟口蓋と舌運動の制御機構を明らかにする。 (2)各種段階における比較解剖学研究の結果、哺乳類レベルで初めて新しい開口筋としての舌骨上筋群が発生してくること、舌内の最大の外舌筋であるオトガイ舌筋の付着である下顎骨オトガイ結節は日本猿では見いだされず、ヒトでようやく見いだされることが明らかになった。これらのことは、ヒト化(ホモニゼーション)を解明する上でも重要と考えられる。 (3)一方、古い開口筋である舌骨下筋群は、ヒトにおいては二足歩行をするためかほとんど活動していないが、頭位の変化に応じて、反射性に筋活動を変化させ、嚥下運動に関与しうることを筋電図学的に見出した。下顎運動と舌運動は反射性に連動し得ることが知られていることから、今後、これを基に構音時における下顎運動と舌運動の反射性制御機構を明らかにする生理実験を行っていきたい。
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Research Products
(20 results)