2007 Fiscal Year Annual Research Report
音像定位・体性感覚入力を利用しためまいリハビリテーション法の開発
Project/Area Number |
18591893
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
肥塚 泉 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 教授 (10211228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 智幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (50224019)
宮本 康裕 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (70367340)
春日井 滋 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (90386970)
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Keywords | リハビリテーション / 前庭機能障害 / 体性感覚入力 / 前庭-眼反射 / 体性感覚刺激 / めまい |
Research Abstract |
1)体制感覚触覚刺激装置の作成ならびに既存の回転刺激装置への設置 既存の回転刺激装置に、体性感覚刺激装置を追加設置した。当初は1対のエアーバックを用いる予定であったが、これを膨らませるエアーポンプのタイムラグを改善することが不可能だったため、電磁式の装置を新たに開発し、これを回転刺激装置に設置した。その結果、椅子の動きとの同期が、ほぼ完全にとれるようになった。被験者に対して疼痛や不快感などを与えないこと、安全性を確認したうえ、以降の実験に使用した。 2)体性感覚刺激による半規管-眼反射の可塑性の検討(順方向および逆方向)体性感覚刺激を40分間加えながら回転刺激を加えると、体性感覚刺激の方向が椅子の回転方向に対して順方向であろうが逆方向であろうが一貫して、前庭雁反射の利得は低下する傾向を示した。すなわちこれまで体平衡の維持に重要な入力は、視覚系・前庭系・体性感覚と考えられていたが、体性感覚刺激入力が前庭入力よりもむしろ優先的に用いられている可能性が示唆された。なお、40分間という長時間にわたって暗所下で振子様回転刺激を加え続けると、被験者は眠気を訴えることが多かった。覚醒度と前庭眼反射の利得との間には正の相関があることが知られており、今回の実験だけからは、体性感覚刺激により前庭雁反射の利得が本当に低下したのかどうか確定することは困難である。今後はさらに、体性感覚を加えない状態で同様に暗所下で40分間、振子様回転刺激を加えるというコントロール実験を行って、この結果を確認する必要があると思われる。
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