2008 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞のタイト結合と細胞増殖因子からみた鼻茸形成のメカニズム
Project/Area Number |
18591899
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
鈴木 秀明 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 教授 (20187751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平木 信明 産業医科大学, 医学部, 助教 (80465757)
若杉 哲郎 産業医科大学, 医学部, 助教 (20461569)
柴田 美雅 産業医科大学, 医学部, 助教 (90512187)
橋田 光一 産業医科大学, 医学部, 助教 (90389461)
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Keywords | 鼻茸 / タイト結合 / 細胞増殖因子 / EGF / RT-PCR / erbB / 免疫組織化学 / bromodeoxyuridine |
Research Abstract |
(1) 増殖因子受容体の検索:蛍光免疫法を用いた免疫組織学的手法により鼻茸組織、下鼻甲介粘膜、鼻中隔粘膜の上皮層にerbB1、erbB3およびリン酸化erbB1、リン酸化erbB3の陽性所見が認められた。下鼻甲介粘膜では上皮層に加えて粘膜下層に存在する鼻腺組織にも陽性所見が認められた。リアルタイムPCR法でもerbB3の存在が確認されたが、Western blot法では陽性所見が確認できなかった。これに対してerbB4は、蛍光免疫法、Western blot法のいずれにおいても検出されなかった。しかしリアルタイムPCR法ではerbB1、erbB3よりも量が少ないもののerbB4mRNAが検出された。 (2) 上皮細胞の増殖能の観察:鼻茸組織をTNFα、IL-1β、IFNγ、好中球elastase、lipopolysaccharideで刺激し、bromodeoxyuridineの取り込みにより上皮細胞の増殖について検討したが、刺激前と比べて有意な取り込みの上昇は認められなかった。下鼻甲介粘膜でも同様の実験を行ったが、取り込みの有意な上昇は認められなかった。 (3) ヒト鼻粘膜および鼻茸粘膜の電気抵抗を短絡電流測定器CEZ-9100(Nihon kohden)を用いて測定した。下鼻甲介粘膜では80〜150Ω・cm^2であったのに対し、鼻茸粘膜では50〜100Ω・cm^2であり、鼻茸粘膜で低い傾向がみられたが統計学的有意差までには至らなかった。切離してin vitroで測定した結果では鼻茸粘膜で電気抵抗が有意に低値であったが、この乖離の理由としては切除時や切除後のartifactや粘膜下組織の電気抵抗の影響が考えられた。
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