2007 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部癌における新規メチル化遺伝子の同定とその臨床応用
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18591902
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
徳丸 裕 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 東京医療センター(臨床研究センター)・聴覚平衡覚研究部, 研究員 (60245579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 正人 国立病院機構, 東京医療センター(臨床研究センター)・聴覚平衡覚研究部, 部長 (70129633)
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Keywords | 頭頸部癌 / メチル化 / 癌抑制遣伝子 / エピジェネティック / 耳鼻咽喉科 |
Research Abstract |
癌の発生においてgeneticな変異が重要な役割を果たしていることはいうまでもないが、最近ではepigeneticな変異もまた注目されている。特にプロモーター領域の異常DNAメチル化は多くの癌において認められている。我々は頭頸部癌を対象に、マイクロアレイを用いることによりGenome-wideにメチル化遺伝子を探索、同定することを試みた。 頭頸部癌細胞株を5Aza-dCにて処理したのち、マイクロアレイ解析を行い網羅的に遺伝子の発現の変化を検討した。メチル化により発現が抑制されている遺伝子は5Aza-dC処理により再び発現が認められるようになると考えられる。我々は頭頸部癌細胞で発現が抑制されおり、かつ5Aza-dC処理により再発現した遺伝子群を同定した。これらの遺伝子群には癌抑制遺伝子が含まれている可能性があると考えられる。さらに複数の細胞株や臨床サンプルを用いて、これらの遺伝子群についてより詳細な検討を行った。 PGP(Protein Gene Product)9.5は、ヒトの神経細胞由来のユビキチンC末端加水分解酵素であるが、細胞内物質の分解・調節を行うシグナルタンパクと考えられている。我々は遺伝子の網羅的な検討から、このPGP9.5が頭頸部癌において異常DNAメチル化されていることを発見した。頭頸部癌の手術サンプルでは72例中46例(64%)にメチル化を認め、正常コントロール群は非メチル化であった。Stable cloneを用いたコロニーフォーメーションアッセイではコロニーの形成に有意差を認め、またUV照射後のアポトーシス誘導にも差が認められた。以上の点から頭頸部癌において高頻度にメチル化されているPGP9.5はtumor suppressiveな機能を持つ遺伝子と考えられた。
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Research Products
(2 results)