2007 Fiscal Year Annual Research Report
Rom1遺伝子異常優性遺伝網膜変性マウスの分子基盤に関する研究
Project/Area Number |
18591906
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 肇 Tohoku University, 病院, 講師 (10312571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若菜 茂晴 独立行政法人理化学研究所, 動物ゲノム, チームリーダー (90192434)
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Keywords | 網膜色素変性 / 遺伝子異常 / モデル重物 |
Research Abstract |
【Roml遺伝子異常網膜変性マウスに関する研究】(1)Peripherin/rds遺伝子の遺伝子解析:Roml遺伝子異常優性遺伝網膜変性マウスは、C57BL/6J由来のRoml遺伝子に変異が生じている。Peripherin/rds遺伝子の影響でないことを裏付けるために、C57BL/6J、DBA/2J、129Svマウス(Roml遺伝子ノックアウトマウスを作製する際に使用したES細胞が129Svマウス由来であるため)のゲノムDNAを用いて、Peripherin/rds遺伝子の翻訳領域の塩基配列を確認したところ、4つの系統において塩基配列の相違は認められなかった。 (2)Roml遺伝子の発現解析:Roml遺伝子異常網膜変性マウスのヘテロ、ホモマウスおよびコントロールとしてC57BL/6JとDBA/2Jマウスの網膜からmRNAを調整した。インターカレーター法による判定量PCRを行い、各マウス網膜におけるRoml遺伝子の発現量をrhodopsin遺伝子(標準遺伝子とした)の発現量の相対値として算出した(各マウス N=3)。Roml/rhodopsin値(平均±標準偏差)は、C57BL/6Jで0.82±0.10、DBA/2Jで1.06±0.09、ヘテロで0.85±0.12、ホモで0.99±0.11であり、マウス間においてRoml遺伝子の発現量に有意差はなかった。 (3)Peripherin/rds遺伝子の発現解析:前述と同様の方法でPeripherin/rds遺伝子の発発量を算出した結果、Rds/rhodopsin値(平均±標準偏差)は、C57BL/6Jで0.89±0.11、DBA/2Jで1.08±0.16、ヘテロで0.84±0.09、ホモで1.02±0.08であり、マウス間においてPeripherin/rds遺伝子の発現量に有意差はなかった。 以上からこの網膜変性マウスは、Peripherin/rds遺伝子の影響を受けることなく、Roml遺伝子変異のみによって網膜変性を生じていることが証明された。さらに変異を生じたRoml遺伝子は、野生型Roml遺伝子と同様に発現されており、網膜変性のメカニズムは蛋白レベルで生じていることが示唆された。
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