2007 Fiscal Year Annual Research Report
P27KIP1の網膜障害と網膜前駆細胞移植における役割の検討
Project/Area Number |
18591907
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 有美 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 技術補佐員 (60396439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 俊明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90191858)
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Keywords | P27 / KOマウス / ニューロスフェア / 網膜 / 移植 |
Research Abstract |
p27^<Kip1>ノックアウト(KO)マウスは細胞周期のG0-G1サイクルを制御しているp27が存在しないために視細胞など神経細胞への誘導をしやすい可能性を考えて、網膜よりニューロスフェアー法で網膜前駆細胞を調整して、網膜変性動物に移植することを目的とした。 まずこのマウスのヘテロを交配させることにより、安定してホモのp27KOマウスが生まれる状態にまでシステムを確立させた。最初に、このマウスを組織学的に、また電気生理学的に継時的な検討することをおこなった。P27(-/-)マウスはp27(+/-)あるいはwild typeに比較して網膜全層が厚くなっており、統計学的に有意差が見られた。また視神経も太くなっていた。この差はマウスが年齢を重ねるたびにより明らかになっていった。また、興味深いことに網膜が厚いp27(-/-)マウスは網膜電図で振幅を比較するとp27(+/-)マウス、wild typeマウスよりも有意に低下しており、この差も年齢とともにさらに明らかになっていった。眼底写真撮影後に比較するとし神経乳頭はp27(-/-)マウスはwild typeと比較して有意に拡大しており、また網膜血管径が拡大していた。 このマウスの網膜最周辺部、毛様体との境界部、虹彩を切り出し、既報に従いニューロスフェアー法で網膜前駆細胞の作成を試みた。nestin陽性細胞が免疫染色で確認されたために、他の神経細胞マーカーでも染色で確認し、さらに培養を継続した。プレート上に進展する細胞は一部が強くネスチン陽性であった。この細胞をDiIで染色後に正常ラット網膜下に移植したが、1、2週後に細胞の確認はできなかった。
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