2007 Fiscal Year Annual Research Report
毛様動脈血管平滑筋に対する神経ペプチドの効果についての薬理学的研究
Project/Area Number |
18591908
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
吉富 健志 Akita University, 医学部, 教授 (60191623)
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Keywords | 正常眼圧緑内障 / 眼血流 / 血管平滑筋 / 細胞内カルシウム動態 / レボブノール / タフルプロスト |
Research Abstract |
緑内障は失明原因の一位を占める重要な疾患であるが、疫学調査で明らかになったように眼圧が正常範囲内にある正常眼圧緑内障が重要な疾患として注目されている。正常眼圧緑内障の病態に視神経の循環不全が重要な要素の一つと考えられ、眼循環に対する治療も注目を集めている。既存の緑内障治療薬は眼循環に対する効果を持っていると言われており、我々はin vitroでこれらの薬剤が血管平滑筋に対してどのような効果を持つかを検討した。方法としては、ウサギより視神経の循環に重要と考えられる毛様動脈を摘出し、等尺性収縮記録法を用いて血管の性質と薬物の作用をin vitroで検討した。また、細胞内Ca動態に対する影響も同時に検討した。β遮断薬であるBetaxololは比較的高濃度でこの血管を弛緩させたが、その機序として、これらの薬剤の持つCa拮抗薬様作用が考えられた。1evobunololは我々が検討したβ遮断薬の中で最も強い弛緩反応を示したが、これは平滑筋のカルシウム感受性に効果があることがわかった。プロスタグランディン関連薬としてウノプロストンは濃度依存性の弛緩を起こしたが、弛緩は内皮非依存性で、Ca拮抗薬様作用とも異なり、容量性Caチャネルを阻害している可能性が示唆された。今回新たに検討したtafluprostも同じような作用を有していることが明らかとなった。既存の緑内障治療薬のほとんどは血管弛緩作用を持つが、その作用機序は異なっていることが明らかとなった。この結果は臨床的にも非常に有意義である。
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