2006 Fiscal Year Annual Research Report
視覚皮質third tier visual cortexの視野再現とエリア区分
Project/Area Number |
18591912
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中村 浩幸 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (10211434)
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Keywords | 解剖学 / 外科 / 神経科学 / 脳・神経 |
Research Abstract |
本年度は、3次視覚複合体third tier visual cortexの視野再現を研究した。1次視覚野の水平子午線と垂直子午線に、異なる神経軸策トレーサーであるディアミディノイエローとファーストブルーを、それぞれ一列に多数注入して、third tier visual complexにおける視野再現を検討した。さらにこれらの子午線にはさまれている、下4分の一の視野を再現している皮質にビオチン化デキストランアミンを微量注入し、子午線の視野再現との関係を調べた。ネンブタールに深麻酔下でニホンザルの後頭葉を露出し、月状溝と下後頭溝のすぐ後に一列にファーストブルーを、これらの溝が近づく部位から後頭極に向かって一列にディアミディノイエローを注入した。その結果、third tier visual complexでは、水平子午線と垂直子午線の再現皮質がモザイク状に入り組んでおり、1次視覚野や2次視覚野のように、それぞれの子午線が境界線に再現されているわけではないことが示唆された。この結果は、third tier visual complexが、複雑な視覚情報処理を行っていることを示唆している。 上述の実験に加えて、third tier visual cortexの中で、古典的に区分されている領野であるV3Aを髄鞘構築的手法で形態学的に明らかにし、MRI画像による皮質脳回画像をアトラスとして用い、ビオチン化デキストランアミンを微量注入した。その結果、広範な視覚関連皮質に順行性に標識された神経終末と逆行性に標識された細胞体が観察された。また、色や形・動きなどの異なる視覚モダリティを処理していると考えられている2次視覚野の異なるチトクロームオキシダーゼ構造からV3Aへの投射を検討し、すべてのモジュールから投射していることを明らかにした。この結果は、third tier visual cortexの一部であるV3Aは、さまざまな視覚情報を統合した機能をつかさどっていることを示唆している。この結果は、第29回神経科学会議で報告し、The Journal of Comparative Neurologyに投稿準備中である。
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Research Products
(6 results)