2007 Fiscal Year Annual Research Report
視覚皮質third tier visual cortexの視野再現とエリア区分
Project/Area Number |
18591912
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
中村 浩幸 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10211434)
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Keywords | 神経解剖 / 神経回路 / 神経伝導路 / 線維連絡 / 視覚皮質 / トレーサー / BDA / インターフェイス |
Research Abstract |
「研究の目的」は、大脳皮質の神経回路構築の原則を理解し、ブレイン・マシン・インターフェース開発に必要な基礎データを提供することである。本年度は、V3A野の神経回路を解析し、物体視と空間視という二分法による皮質回路理解の正誤を検討した。2頭のニホンザルを用いて、V3A野に神経トレーサーを微量注入した。その結果、V3A野が、両側の2次視覚野(V2)、狭義の3次視覚野(V3)、腹側後野(VP)、中上側頭野(MST)、背側頭頂野、側頭頭頂後頭野、外側および内側頭頂間溝野と、双方向性の神経回路を持つことを明らかにした。さらに同側の1次視覚野(Vl)、4次視覚野(V4)、中側頭野、腹側頭頂間溝野、内側背側頭頂野および頭頂後頭野とV3A野をつなぐ神経回路の存在を確認した。この結果は、V3A野が形と場所の視覚の両方に関与していることを示唆しており、二分法以外の新たな視覚皮質理解が必要なことが明らかになった。これは、昨年度の私たちの報告に一致している。次に、1頭のニホンザルを用いて、頭頂連合野皮質7a野、7b野、5野に、神経トレーサーを微量注入し、third tier visual cortexから頭頂連合野への投射の有無とエリアによる違いを検討した。その結果、third tier visual cortexのいずれのエリア区分からも投射が見られなかった。現在までの研究結果は、third tier visual cortexが、比較的低い階層の大脳皮質の一部分であり、系統発生学的に未分化な状態の視覚皮質の性質を維持していることを示唆する。これは、世界で最初の重要な発見で、CCDカメラインターフェースから直接third tier visual cortexに信号を入力する新たな技術の開発を推進する意義がある。本研究で得られた結果を、平成20年度に国際学会(Forum of European Neuroscience, 2008Julyl2-16, Geneva)において報告する。また、現在これらの結果を確認する実験を行っており、論文を国際雑誌に投稿準備中である。
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Research Products
(4 results)