2007 Fiscal Year Annual Research Report
光電変換色素を使った人工網膜(岡山大学方式人工網膜)の安全性および機能性評価
Project/Area Number |
18591922
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松尾 俊彦 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90211565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 哲也 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (90284083)
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Keywords | 人工網膜 / 光電変換色素 / ポリエチレン・フィルム / グレア細胞 / 網膜 / 網膜色素上皮細胞 / 免疫組織化学染色 / ラット |
Research Abstract |
人工網膜の安全性を調べるため、その素材である光電変換色素について、培養した網膜細胞および分離した網膜色素上皮細胞を使って、安全性を検討した。具体的には、暗所あるいは明所で、網膜神経細胞と光電変換色素をいっしょに培養し、死細胞の数を計測した。光電変換色素の存在下で死細胞の増加は見られなかった。網膜色素上皮細胞と光電変換色素を3時間反応させたときの細胞膜の透過性の変化を調べた。その結果、光電変換色素の存在下で、細胞膜の透過性の亢進はみられなかった。 光電変換色素をポリエチレン・フィルムと化学結合させた人工網膜の試作品を、ラット眼球の網膜下に埋め込み、1週間後と1ヶ月後に眼球を摘出して、組織学的に検討した。人工網膜による組織障害はほとんど見られず、また、炎症細胞の浸潤もみられなかった。グリア細胞の反応をみるため、GFAPに対する免疫組織化学染色をおこなった。人工網膜を埋め込んだ網膜部位では、まわりの網膜と比べて、GFAPの発現が上昇していた。また、人工網膜を取り囲むグリア細胞は、1ヶ月で人工網膜全周の50%を超えることはなかった。これらの結果から、岡山大学方式の人工網膜の短期の安全性が証明された。
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Research Products
(2 results)