2008 Fiscal Year Annual Research Report
光電変換色素を使った人工網膜(岡山大学方式人工網膜)の安全性および機能性評価
Project/Area Number |
18591922
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松尾 俊彦 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90211565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 哲也 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (90284083)
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Keywords | 光電変換色素 / ポリエチレン・フィルム / 人工網膜 / RCSラット / ラット行動実験 / ラット視覚 |
Research Abstract |
光電変換色素を結合したポリエチレン・フィルム(岡山大学方式の人工網膜)の機能をみるため、網膜色素変性症のモデルラット(RCSラット)の網膜下に人工網膜を埋め込んだ。一方、ラットの視覚を測定するための装置を作成した。この装置は、十分広さのある透明な容器に入れたラットの周りを、毎分2回転あるいは4回転のゆっくりした速度で、黒白の縞模様を描いた円筒を回し、ラットの行動をビデオで録画し、縞模様の回転方向と同じ向きへのラットの頭部運動を数える。回転しない場合、回転する場合、反対方向に回転する場合の頭部運動を解析した。その結果、人工網膜を埋め込む手術をしていないラット、および、切開などの手術のみを行ったが人工網膜は埋め込んでいないラットと比べて、人工網膜を埋め込んだラットでは、縞模様に対する反応が見られ、岡山大学方式の人工網膜は、失明したラットの視力を回復させることが明らかになった。人工網膜を埋め込んだRCSラットの眼球を摘出し、組織学的に調べた。人工網膜を埋め込んだ場合には、埋め込まない場合、あるいは、切開のみの手術を行った場合と比べて、網膜神経細胞の変性が有意に減っていた。つまり、人工網膜の埋め込みによって、神経細胞の生存が促進されたことを意味している。
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Research Products
(5 results)