2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己網膜幹細胞移植における網膜環境因子の制御機構に関する研究
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18591927
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
福島 美紀子 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (10284770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷原 秀信 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (60217148)
越山 靖夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (40372784)
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Keywords | 再生医学 / 移植・再生医療 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
自己網膜幹細胞を用いた網膜移植再生治療の実現に向けた基礎的実験として、移植細胞の分化や侵入生着に影響を与える宿主網膜の生理活性分子に着目して、移植後の宿主網膜環境因子の変化を解析し、その反応の制御機構を遺伝子発現レベルで明らかにし、さらにそれらの分子メカニズムを踏まえ、自己網膜幹細胞移植に有利な網膜環境を制御する手技の開発を行うことを目的に以下のことを明らかにした。 1.網膜前駆細胞の探索 (1)毛様体由来網膜幹細胞の単離 成体マウス毛様体組織よりsphere法を用いて、神経前駆細胞を単離した。さらに分化条件にて、網膜〓有細胞であるアマクリン細胞、杆体視細胞、ミューラグリア細胞への分化を得た。 (2)網膜前駆細胞の増殖に関わるシグナルの解析 Wnt3a添加によりFGFによるsphere径の増加能、2次sphere型成能の相乗効果が認められた。 (3)網膜幹細胞分化に関するシグナルの解析 マウス幼若網膜よりsphere法にて得られた網膜前駆細胞の分化を、ルシフェラーゼアッセイを用いて解析した。 IL-6、BMPともにグリア分化に関わるGFAPの転写活性を認め、相乗効果が明らかになった。 2.網膜前駆細胞の傷害網膜移植 (1)前駆細胞の傷害網膜への移植 得られた網膜前駆細胞の網膜への生着をみた。傷害網膜での炎症反応が網膜前駆細胞の分化に影響する知見を得た。 3.傷害網膜におけるシグナルの探索 (1)虚血再潅流傷害網膜における分子機構 HMG-CoA還元酵素阻害薬ピタバスタチンの神経保護作用のメカニズムを網膜虚血再潅流傷害モデルにおいて明らかにした。 (2)レーザー誘発眼内新生血管モデルにおける分子機構 実験動物を用いたレーザー誘発眼内新生血管モデル実験では、HMG-CoA還元酵素阻害薬ピタバスタチン投与によりCNV発生の抑制効果が観察された。
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Research Products
(5 results)