2006 Fiscal Year Annual Research Report
角膜上皮幹細胞ニッシエとしての細胞外マトリックス・テネイシンの機能解析
Project/Area Number |
18591930
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
松田 彰 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (00312348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下部 守昭 脚繁殖研究所, 実験動物研究センター, 主任研究員 (60153277)
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Keywords | 移植・再生医療 / 細胞・組織 / 生体分子 / 発現制御 / 発生・分化 |
Research Abstract |
ヒト角膜上皮(HCE)細胞をテネイシン(TNC)コートしたディッシュ上で培養し、フィプロネクチン(FN)等、他のコート剤上で培養した細胞と比較検討したところ、TNC上で培養したHCE細胞におけるβカテニンタンパク量が増加していた。一方、βカテニンmRNA量の増大は認められなかったため、TNCを介したHCE細胞におけるβカテニン量の増加はタンパク分解機構の抑制によるものと考えられた。細胞染色の結果、TNCコート上で培養したHCE細胞においては、細胞質のβカテニン陽性染色が著明であり、上記の結果を裏づける所見を得た。また、βカテニンタンパクの細胞核移動により活性化される、Tcf経路のシグナル量をTOPFLASHベクターによるルシフェラーゼアッセイにて検討したところ、TNCコートによるβカテニン量の増加にはTcf経路の活性化を伴わないことが判明した。すなわち、TNCコートによるβカテニン安定化作用はβカテニンの核内移行によるシグナル経路の活性化を伴わないことが判明した。 一方、TNCコート上で培養した細胞の増殖能を細胞増殖マーカーであるki67染色像で検討したところ、TNCコート上ではFNコートと比較してHCE細胞の増殖能は低かった。TNCコート上で培養したHCE細胞が形態的に糸状突起を多く有することから、同細胞におけるSmall GTPaseの発現を検討したところRaclタンパク陽性、Rhoおよびcdc42タンパクは陰性との結果を得た。
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Research Products
(2 results)