2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591937
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
澤 充 日本大学, 医学部, 教授 (40010475)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 光浩 日本大学, 医学部, 講師 (50193751)
稲田 紀子 日本大学, 医学部, 助手 (10307837)
|
Keywords | アレルギー・ぜんそく / 細胞・組織 / 分析科学 / マイクロアレイ / 涙液 |
Research Abstract |
アレルギー性結膜炎(ACD)症例の涙液を対象に以下の検討を行った。 1.サイトカインプロフィールの検討。 抗体アレイ法を用いてサイトカインなど40種類の炎症関連因子を測定・比較した。また、抗アレルギー点眼薬(トラニラスト)の点眼前と1週後とを比較した。正常対照群に比し、ACDではIL-1α、可溶性IL-6受容体などのサイトカインが有意に高値であった。トラニラスト点眼後IL-1βなどのサイトカインが有意に減少した。以上から涙液中サイトカインプロフィールの検討は、ACDの病態生理、薬効の評価に有用であると結論した。 2.涙液内アレルゲン特異的分泌型IgA(sIgA)の検討。 涙液中の総およびハウスダスト(HDM)特異的分泌型IgAをELISAで測定した。涙液中総IgAは春季カタルで有意に低値であった。HDM指数(HDM特異的sIgA/総sIgA)は正常例に比し春季カタル、季節性アレルギー性結膜炎症例で有意に高値であった。以上からHDM指数はアレルギー疾患の病態判定の指標となり得ると結論した。 3.可溶性interleukin-6(sIL-6R)濃度および受容体の濃度の検討 ELISA法によりsIL-6R濃度を、ニトロセルロース膜によるインプレッションサイトロジーによりgp130とglyceraldehydes-3-phosphate dehydrogenase(G3PDH) mRNAを抽出後、半定量的reverse transcriptase(RT)-PCRで濃度測定し、検討した。sIL-6濃度は正常に比し春季カタル、巨大乳頭結膜炎では有意に高値で、かつ臨床的重症度と相関した。gp130/G3PDH mRNA比はACDでは正常よりも有意に高値であった。以上からgp130を介するIL-6/sIL-6R複合体はACDの悪化因子であり、sIL-6濃度はACDの病態の指標となり得ると結論できた。
|