2006 Fiscal Year Annual Research Report
虹彩色素上皮細胞から錐体視細胞への選択的誘導の研究
Project/Area Number |
18591946
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
西田 明弘 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 発生生物学部門, 研究員 (60342721)
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Keywords | ホメオボックス遺伝子 / Otx2 / Crx / 網膜視細胞 / 双極細胞 / ノックアウトマウス / L7 / 細胞分化 |
Research Abstract |
我々は以前、ホメオボックス遺伝子Otx2が網膜視細胞発生の鍵を握る遺伝子であり、網膜視細胞初期発生においてホメオボックス遺伝子Crxの発現を調節していることを報告した(Nat Neurosci6,1255-1263,2003)。また、網膜後期発生においてはOtx2およびCrxが協調的に双極細胞の最終分化に関与しているとという結果が得られている。今回、Otx2が生後の双極細胞で特異的に不活性化されるようなコンディショナルノックアウトマウスを解析することにより、Otx2の生後網膜における役割をさらに明らかにしていきたいと考えている。 L7蛋白質は生後の小脳プルキンエ細胞および網膜双極細胞に特異的に発現することが報告されている。今回我々はL7の遺伝子座にCre遺伝子を組み込んだノックインマウスを入手し、Otx2/floxマウスと掛け合わせることにより、コンディショナルノックアウトマウスを作製した。生後1ヶ月の網膜を双極細胞のマーカーで免疫染色したところ、成熟および未成熟な双極細胞のマーカーであるChx10の発現は野生型と比べて変化なかったが、成熟した双極細胞のマーカーであるPKCの発現は著しく減少していた。したがって、このコンディショナルノックアウトマウスでは双極細胞の成熟が阻害されていると考えられる。今後、他のマーカーを使用した免疫染色、in situ hybridization、Northern blot、網膜電図の測定等の方法でさらに詳細な解析を進める予定である。
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