2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経堤症治療に向けたES細胞由来の神経堤細胞の分化機構の解析
Project/Area Number |
18591952
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
本橋 力 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助手 (40334932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國定 隆弘 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30205108)
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Keywords | 神経堤細胞 / ES細胞 / 転写因子Sox10 / 蛍光タンパク質 / セルソーター / 神経堤症 |
Research Abstract |
本研究は、「神経堤症の治療をめざして、ES細胞から誘導した神経堤細胞を用いて、その移動機構や分化機構を解明するもの」である。我々はマウスのES細胞を用いて神経堤細胞を誘導する培養システムを確立し、このシステムを用いて神経堤細胞研究を行ってきた。しかし、この培養では神経堤細胞のみが単独で誘導されているのではないため、本研究の目的のためには、神経堤細胞のみを純化して、その分化誘導を詳細に解析することが必要であった。このため、神経堤細胞の発生初期から発現する転写因子Sox10に着目し、Sox10遺伝子のゲノムの下流に、蛍光タンパク質であるGFPを相同組み換えによって導入した遺伝子改変ES細胞を作成し、Sox10陽性(GFP陽性)を指標にES細胞由来の神経堤細胞を純化することを計画した。 本年度においては、ゲノムPCRを行ってマウスゲノムライブラリーからSox10ゲノムを単離し、Sox10ゲノムの下流にGFPタンパク質をコードする遺伝子をInternal Ribosomal Entry Site (IRES)の制御下に挿入したターゲティングベクターを構築し、このターゲティングベクターをマウスES細胞に遺伝子導入してSox10の発現とGFPタンパクの発現が同調して起こる遺伝子改変ES細胞を樹立する事に成功した。また、樹立したES細胞を用いてSox10陽性(GFP陽性)を指標にセルソーターを用いてES細胞由来の神経堤細胞を純化する事にも成功した。 樹立したES細胞を用いて遺伝子改変マウスの作成にも着手した。このマウスが作成されれば、生体での神経堤細胞の挙動が観察できるのみならず、生体から神経堤細胞を単離して、その分化能等を詳細に解析することが可能となる。このマウスの作成は現在進行中である。
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