2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体内の種々の条件に対応した微小血管再生と分子発現・調節
Project/Area Number |
18591967
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田中 克己 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (70244069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安楽 邦明 長崎大学, 医学部歯学部附属病院, 助手 (60380846)
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Keywords | 血管化腹壁皮弁 / サイトカイン / 間葉系幹細胞 / 感覚神経 / 血流付加 / 下肢創傷治癒 |
Research Abstract |
微小血管再生の生体内モデルとして、下肢大腿血管(動静脈)結紮、伏在神経切断後間隙留置モデルを用いて、浅腹壁動静脈を血管茎とする血管化腹壁皮弁を用いて、再生部の血流増加と末梢神経の最大伝達速度の回復程度を、血流・神経再生検討した。また同側足底全層皮膚欠損創作成し、神経・血管・創傷治癒の一元化検討した。 細胞源として可塑性に優れ、生体内でも経血行性の組織集積性を有する間葉希幹細胞を用い、細胞増殖亢進と局所血管新生増進に線維芽細胞増殖因子-2(Fibroblast Growth Factor-2,FGF-2)の添加も検討した。 血管化腹壁皮弁挙上後、切断神経・血管周囲に縫着し、浅腹壁動脈から、1)間葉系幹細胞、2)FGF-2、3)細胞とFGF-2を微小血流下に注入し、末梢部を10分間クランプ後、解除し、術後1週、2週での最大神経回復程度(切断前の神経伝達との比)、局所組織血流の付加程度を検討した。足底には生検用パンチ孔にて直径4mmの円形創を作成した。創傷治癒において血管化腹壁弁縫着群は細胞、サイトカインの有無に関わらず、術後1週で治癒したが、一方、切断・留置のみでは術後2週まで創の治癒遅延を認めた。また、神経速度回復は術後2週で幹細胞とFGF-2を用いた群で有意に70%程度の回復程度であった。組織血流は術前の229%の増加を示した。最大神経伝達速度回復と、組織血流は正相関した(y=0.22x-0.12,r=0,58,p<0.01)。 以上から、感覚神経(伏在神経)と大腿動静脈結紮による急性期の遮断では、血管化腹壁皮弁と間葉系幹細胞とFGF-2の経血管投与により、術後2週までに有効な治療方法であると示唆された。
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Research Products
(6 results)