2007 Fiscal Year Annual Research Report
脱神経萎縮防止に関する実験的研究・流入型端側神経縫合の検討
Project/Area Number |
18591968
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
上田 和毅 Fukushima Medical University, 医学部, 教授 (40160163)
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Keywords | 神経科学 / 脱神経委縮 / 端側神経縫合 |
Research Abstract |
(目的)神経縫合手技やrecipient nerveの損傷の程度が流入型端釦神経縫合の効果に与える影響を明らかにする。 (方法)SDラットをネンブタールの腹腔内注入により麻酔し、腹臥位にて固定。顔面の下顎縁に皮膚切開を加え、顔面神経の頬骨枝と頬枝を剥離露出した。 グループ1(館下G):頬骨枝と頬枝を切離し、一側では頬骨枝の中枢断端と頬枝の末梢断端とを端々縫合、他側では頬骨枝の中枢断端と頬枝の末梢断端とを端側縫合した。 グループ2(裕美G):頬骨枝を切離し、一側では頬枝の側面にepineural windowを開いてここに頬骨枝の中枢断端を端側縫合(非再縫合群)、他側では頬枝を一旦切離し、直ちに切離部を再縫合した後、再縫合部より末梢の頬枝の側面に頬骨枝の中枢断端を同様に端側縫合した(再縫合群)。 神経縫合はすべて10-0ナイロンを用いて手術用顕微鏡下に行った。 手術後、2ケ月後、端側縫合部を含んだ顔面神経を採取しエポン包埋で処理後、端側縫合部の末梢部における断面をトルイジンブルーにて染色し、有髄神経の数、直径、密度を測定した。 (結果) グループ1:軸索数再生率は端々縫合で60%、端側縫合では30%と端々縫合の方が優れていたが、軸索直径の平均値に関しては差が見られなかった。 グループ2:軸索数の増加は非再縫合郡で115%、再縫合群で146%、ただしいずれも増加するのは直径2μ前後の細い軸索のみであった。 (結論)神経端側縫合はrecipient nerveが障害されているほど神経再生力にすぐれていたが、端々縫合の約半分の再生力であった。再生力は時間とともに増強する傾向にあるので、今後、長期経過例の検討を加える予定である。
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