2008 Fiscal Year Annual Research Report
ICU入室患者に対するせん妄の新しい診断法の有用性と危険因子
Project/Area Number |
18591983
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鶴田 良介 Yamaguchi University, 医学部附属病院, 講師 (30263768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 剛志 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60034972)
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Keywords | せん妄 / 鎮静 / 炎症 / 人工呼吸 / 血清C反応蛋白 / CAM-ICU |
Research Abstract |
【背景】我々はICU患者のせん妄を評価するために日本語版Confusion Assessment Method for the ICU (CAM-ICU)を作成したが,日本のICUにおけるせん妄発症率に関する報告は未だない.【目的】ICU患者のせん妄発症率とせん妄の危険因子を調査する,【方法】前方視観察研究.山口大学医学部附属病院先進救急医療センターにおいて4月1日〜6月30日の期間に滞在した患者のうち,除外患者を除く103名を対象とした.日本語版CAM-ICUの活用に慣れた6人のICU医師が1日1回鎮静レベルをRichinond Agitation-Sedation Scale (RASS)で,せん妄の有無をCAM-ICUで評価した.患者背景,診断,APACHEIIスコア,人工呼吸器の使用ICU滞在中の最高血清C反応蛋白(CRP)値をせん妄発症群と非発症群で比較検討した. 【結果】103名中21名(20%),人工呼吸中の17名中13名(76%)にせん妄を発症した,人工呼吸中の患者では,そうでない患者よりせん妄を発症しやすかった(p<0,001),せん妄発症群では,非発症群に比べてAPACHEIIスコア,最高血清CRP値が有意に高かった(共にp<0.001).人工呼吸器の使用と最高血清CRP値が年齢,APACHEIIスコア,感染症の共存を補正しても独立したせん妄発症の危険因子であった.【結語】ICU患者の20%,人工呼吸患者の80%にせん妄を発症したが,これらの数値は人工呼吸患者の比率に依存していた,人工呼吸器の使用と炎症・感染の血清マーカー(CRP)高値がせん妄発症を予想できそうであった,これらの結果を第38回米国集中治療医学会(ナッシュビル)において発表した.
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Research Products
(9 results)