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2006 Fiscal Year Annual Research Report

口腔領域におけるウイルス感染と細菌感染のクロストーク

Research Project

Project/Area Number 18591994
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

安田 元昭  北海道大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (90239765)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 柴田 健一郎  北海道大学, 大学院歯学研究科, 教授 (50145265)
Keywords自然免疫 / アデノウイルス / TLR
Research Abstract

ラット歯髄細胞に5型アデノウイルス(dl309)を感染させ、ルシフェラーゼレポーター・アッセイにてNF-kBの活性化について解析した。感染6時間後には顕著なルシフェラーゼ活性が認められたが、感染16時間後にはこの活性化はバックグラウンドレベルとなっていた。しかしながら、ウイルスのがん遺伝子がコードされているE1領域をβ-ガラクトシダーゼに置換したリコンビナントウイルスでは感染16時間後にも顕著なルシフェラーゼ活性が観察されたことより、アデノウイルスはE1遺伝子の発現により自身の感染が誘導するNF-kBの活性化を抑制することが示唆された。次に、E1領域が細菌由来リポペプチドならびにLPS刺激により誘導されるNF-kBの活性化に影響をおよぼすか否かを検討したところ、全E1領域を含むフラグメントはルシフェラーゼ活性を顕著に抑制した。E1遺伝子のうちE1Aはこのルシフェラーゼ活性をほぼ完全に抑制したが、他の初期遺伝子E1B55Kにはこのような効果は認められなかった。E1Aの削除ミュータントを用いた解析により、E1AのCR3 domainはこの抑制活性には不要であること、またN末端25アミノ酸あるいはRbとの結合に必須であるCR1、CR2がこの抑制活性にとって重要であることが明らかとなった。この結果は、E1Aがp300およびRBとの結合によりラット細胞のTLR(少なくともTLR2/4)下流のシグナル伝達を阻害している可能性を示唆するものであり、5型ヒトアデノウイルスは自身の初期遺伝子の細胞内発現により宿主細胞の自然免疫系を制御しているものと考えられた。同様の所見がヒトパピローマウイルス、サイトメガロウイルスの初期遺伝子にも認められたことより、このようなDNAウイルス初期遺伝子群による自然免疫の抑制はこれらウイルスの持続感染にとって大きな意義のあることが推察された。

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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