2006 Fiscal Year Annual Research Report
ノッチシグナルによる骨形成制御機構の解明と骨再生治療への応用
Project/Area Number |
18591998
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
坂本 啓 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (00302886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝部 憲一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (20233760)
山口 朗 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00142430)
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Keywords | Notch / Zfp64 / 骨芽細胞 / 分化 / 骨形成 |
Research Abstract |
骨芽細胞の分化は様々な細胞間シグナルによって調節されているが、ノッチ(Notch)はそのひとつであり、分化した細胞と未分化な細胞の調和をとる重要な役目をになっている。また、骨芽細胞はrunt型転写因子のRunx2の作用によって分化の調節を受けている。われわれはNotchシグナルを修飾し、骨芽細胞の分化を調整する新たな因子を同定するために、酵母ツーハイブリッド法を用いて、Notchの細胞内ドメインに結合する因子をスクリーニングし、zinc finger protein 64(zfp64)を同定した。In situ hybridizationの結果、Zfp64は胎生初期では上皮下や肢芽の問充織で発現しており、また骨芽細胞や軟骨細胞でも強く発現していた。ZfP64は転写共役因子としてNotchの下流の遺伝子の発現を増強した。また、Zfp64はRunx2の発現調節を受ける直接の標的遺伝子であり、Runx2によろて発現が上昇することを示した。Zfp64の強制発現によって筋芽細胞の分化は抑制された。いっぽう、Zfp64の強制発現によって骨芽細胞の分化は促進される傾向があり、アルカリフォスファターゼの活性やオステオカルシンなどの骨芽細胞の分化マーカーの発現の上昇がみられた。以上のように、われわれはZfp64は、Runx2シグナルの入力を受け、Notchシグナル系の伝達を促進することによって、Runx2シグナルとNotchシグナルを繋ぐ新規転写因子であり、骨芽細胞の分化を正に制御することを明らかにした。
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