2006 Fiscal Year Annual Research Report
円滑な咀嚼のため、高次脳は筋感覚を伝える中脳路核ニューロンをどのように統御するか
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18592000
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
吉田 篤 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (90201855)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森谷 正之 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (80303981)
井上 富雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (70184760)
小野 高裕 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (30204241)
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| Keywords | 脳・神経 / 神経科学 / 解剖学 / 歯学 / 生理学 |
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| Research Abstract |
大脳皮質咀嚼野の電気刺激はリズミカルな咀嚼様運動を引き起こすが、ラットでは、大脳皮質から三叉神経運動核(Vmo)への直接投射は存在しないので、運動前ニューロンを介した間接投射であると考えられる。三叉神経中脳路核ニューロンは一次求心性ニューロンではあるが、細胞体が脳内にあるので、この皮質入力を受ける可能性を持つ運動前ニューロンの一つである。
そこで、本年度の研究は、神経トレーサーを用い、まずラットの皮質-三叉神経感覚核路の存在とその様態を解明し、さらに、明らかになった皮質-三叉神経感覚核路線維が、Vmoに投射する運動前ニューロンと接続するかどうかを解明することを目標とした。
その結果、Vmoに投射する運動前ニューロンは、主に同側優位で両側性に、三叉神経吻側核(Vo)と主感覚核(Vp)に認められた。また、注入部位の周囲の網様体、三叉神経感覚核に内接した網様体、延髄レベルでは三叉神経感覚核から内側に少し離れた網様体、三叉神経上核(Vsup)、両側の結合腕傍核(Pb)と縫線核、三叉神経中脳路核にも認められた。
一方、一次体性感覚野の吻側部のニューロンの軸索は、同側の錐体路を下行し、錐体を出て網様体を外側に走行し、走行の途中で網様体に終末を出しながら、対側優位で両側性に、全三叉神経感覚核の主にその背側部に終止した。VsupやPbにも終止した。
以上より、主に、両側性にVo、網様体、Vp、Pb、Vsupに存在する運動前ニューロンが皮質投射を受けることが示唆された、そのうちの少数の運動前ニューロンは、その細胞体上または近位樹状突起上で皮質ニューロンの軸索終末と接合していた。
本研究によって、Vmoに投射する運動前ニューロンには、皮質-三叉神経感覚核路を含む体性感覚野からの興奮性の直接投射を受けるものが存在し、その数は少なくなかった。この投射が、顎運動の制御に重要であることが示唆された。
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