2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯周炎用骨吸収抑制剤としてのlimitinの免疫増強・破骨細胞形成抑制機構の解析
Project/Area Number |
18592007
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
佐藤 卓也 Meikai University, 歯学部, 講師 (00316689)
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Keywords | limitin / 1型インターフェロン / 破骨細胞 |
Research Abstract |
本研究課題では、T細胞活性化、マクロファージ系細胞からの破骨細胞分化に対するlimitinの作用機構に焦点を絞り、limitinがI型IFN様因子でありIFN・/・受容体を用いていることを出発点とし、細胞内情報伝達機構を解明する。また、16年度・17年度の基盤研究Cで得られた成果によれば、limitinが活性化T細胞においてはNFATc1発現を抑制せず、破骨前駆細胞内ではNFATc1発現を抑制することが明らかになっている。この機構の少なくとも一部に、PKR系が関与している可能性が示されている。したがって本研究課題では、limitinがIFNalpha/beta受容体結合以降、細胞内情報伝達を通していかに破骨前駆細胞内でNFATc1発現を抑制するのかを、PKR系に特に重視して平成18年度は検討した。その結果、limitinの破骨細胞形成抑制効果には、PKR mRNA発現を介したc-Fosタンパク質合成阻害が重要であることを見出した。平成19年度は、特に活性化T細胞において活性化T細胞内での情報伝達機構の解析、活性化T細胞内PKR mRNA発現促進機構の解析、活性化T細胞内でのPKRを介した蛋白質翻訳抑制機構の解析、活性化T細胞内でのカルシウムーカルシネウリン系及びIL-2産生に対するlimitinの作用の解析を行った。その結果、limitinは、NFATcl mRNAの発現に影響を与えなかった。また、sRANKL及び、TNF-alphaの産生にも影響を与えなかった。さらに、CD3抗体による増殖も抑制しなかった。以上のことから、limitinは、T細胞活性化に影響を与えずに破骨細胞の形成を押さえることが示唆された。
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