2008 Fiscal Year Annual Research Report
心内膜炎病原因子候補,S.mutansのコラーゲンアドヘシン(Cnm)の機能解明
Project/Area Number |
18592010
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山本 康人 Tokyo Dental College, 歯学部, 助教 (80200848)
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Keywords | 遺伝子 / タンパク質 / 発現制御 / 細菌 / 感染症 / 細菌性心内膜炎 / mutans streptococci / WAP(Wall-anchoring protein) |
Research Abstract |
S. mutans Z1株CnmのBリピート領域の機能解析 グラム陽性菌のコラーゲン結合アドヘシンには、これらでよく保存さえている基本構造があり、CBD (Collagen-binding domain)を含むAドメインと、それに続く繰り返し配列からなるBリピート領域がそれである。S. mutans Z1株CnmのBりピート領域は、7アミノ酸残基(TTTTE・K/A・P)からなる単位の2回繰り返し構造と、6アミノ残基(TTTE・A/S/T・P)からなる単位の19回繰り返し構造からなる。このうち、6アミノ酸残基からなる単位の繰り返し数:19回を減じた変異株の作成を、cnm遺伝子を保有しないS. mutans UA159株を親株とし試みた。Bリピート領域の繰り返し数を減数処理した数種のcnm遺伝子のプラスミド上へのクローニングは、当初の理論的な見通しとは異なり困難な道のりとなり、未だ全菌体を用いた結合活性試験に供することが出来る変異株を得ていない。同様に、前年度までに同定した他のミュータンスレンサ球菌のCnmホモログについても、そのBリピート領域の繰り返し数を減数処理してS. mutans UA159株への形質転換を試みたが、こちらの結果も同様であった。S. ratti107P株よりクローニングしたcnmホモログは、S. mutansのCnmとCBDで高い相同性(75%超)を示しながらも下流に認められるBリピート領域では、リピートユニットの長さや繰り返し数に違い{(T)TTTE (A/G/K/T/V) P/Sからなり繰り返し数:31回}がみられ、菌体の細胞外マトリックス(ECM)成分への結合活性も異なっていた。S. ratti107P株のコラーゲンに対する結合活性はS. mutans Z1株のそれと同程度であるが、ラミニンやフィブロネクチンには結合せず、また、coldagglutination現象も起こさないことから、この現象に対するBリピート領域の関与が強く示唆された。
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