2007 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル伝達の場としての破骨細胞における接着装置と膜の裏打ち構造解析
Project/Area Number |
18592020
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
明坂 年隆 Asahi University, 歯学部, 教授 (70116523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 寿穂 朝日大学, 歯学部, 助教 (80102119)
鈴木 礼子 朝日大学, 歯学部, 講師 (90333723)
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Keywords | シグナル伝達 / 電子顕微鏡 / 破骨細胞 / 凍結技法 / 細胞骨格 |
Research Abstract |
これまでボドゾームの構造や機能について多くの報告がなされているが超微形態としての膜面や細胞骨格とがどう関わるのか構造実体として直接証明されたものは無い。今回の研究により細胞剥離法と急速凍結、レプリカ法を組合せて、破骨細胞の接着側細胞膜面を露出させ細胞質側膜面を広範囲に可視化し構造解析を行うとともに、再現性のある技術を確立することができた。ポドゾーム領域では接着側膜面の粒子構造を介してポドゾームのアクチン細胞骨格と膜と結合していた。ポドゾームはアクチン線維の単なる束ではなく分岐した構造で、ミオシンS-1で修飾したアクチン線維の重合端はポドゾームの中心に向いた極性を示した。このことはポドゾーム自体でアクチン線維の重合、脱重合が起こる自律的な構造であることを示している。隣接するポドゾーム間は長いアクチン線維で連結されておりラメリポデイウムの細胞骨格と一体化されていた。ステレオペアーまたはトモグラフィーによる三次元解析によりポドゾームの直径は〜2ミクロン、高さは〜0.5ミクロンのサイズを示した。また微小管はポドゾームの中心部と結合し、このことは複数のポドゾームがリング状になるパターン形成に関与することが考えられた。GFP導入実験により破骨細胞のポドゾームでは離散集合が5分以内で起こるダイナッミクに時間経過とともに変動する動的構造で最終的に強固な接着構造としてのアクチンリングを形成した。接着側膜面に露出する膜面蛋白の多様性はシグナル伝達の場としてのポドゾーム領域の膜と細胞骨格の関係を構造的に対応することを示していた。膜面上に出現する粒子構造の同定が今後の課題の一つとなる。
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Research Products
(1 results)