2007 Fiscal Year Annual Research Report
パピローマウイルス関連癌におけるDNAワクチンの癌化抑制効果についての基礎的研究
Project/Area Number |
18592022
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
前田 初彦 Aichi Gakuin University, 歯学部, 教授 (30175591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 洋一郎 愛知学院大学, 名誉教授 (70113066)
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Keywords | パピローマウイルス / DNAワクチン / ハムスター / 発癌 / naked pDNA / 癌化抑制効果 / 口腔 / 扁平上皮癌 |
Research Abstract |
ヒトパピローマウイルス(HPV)が種々の前癌ならびに癌病変に検出されることから,HPV感染と発癌との関連が多くの注目を集めている.しかし,HPVには種特異性があり,HPVは動物に感染しないことから,HPVについてのin vivoでの感染実験を用いた癌化の証明は不可能である.我々はすでに,短期間にハムスターの口腔粘膜にハムスターパピローマウイルス(HOPV)関連扁平上皮癌を誘発できる実験系を確立している.今年度は,このハムスターHOPV発癌モデルを用いて多価DNAワクチンよる癌化抑制についての検討を行なった.HOPVのE1,E2,E4,E6,E7,L1,L2領域などの主要遺伝子の多価DNAワクチンよる癌化抑制を解析したところ,L1+L2多価ワクチンが癌化抑制が良好なことが判明した.また,その投与方法,特に部位についての検討を行なった.多価DNAワクチンを上記の発癌モデルの筋肉内,皮下および口腔粘膜に接種して,その効果を検索したところ,L1+L2多価ワクチンを口腔粘膜および筋肉内に接種したときに,特に筋肉内接種時に癌抑制効果が高いことが示唆された.この実験系を用いて,HOPVの主要遺伝子の単価ワクチンよりも多価ワクチンの方がより癌化抑制効果が良好なことが判明した.また,投与部位としては,口腔粘膜および筋肉内が効果があり,さらに,電気穿孔法を併用することが有用なことも明らかになった.これらの結果から,癌化抑制に多価DNAワクチンが良好なことが示唆され,HPV関連の口腔粘膜疾患の予防と治療に有用な方法であると考えられた.
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