2006 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム活性化クロライドチャネルの局在と病態への関与
Project/Area Number |
18592025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
岡村 和彦 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (00224056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 純 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (50230397)
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Keywords | クロライド・チャネル / 局在 / イオン組成 / 顎下腺 / 導管 / 癌細胞 |
Research Abstract |
1)免疫電顕法による正常顎下腺のおけるrCLCA1のsubcellularな局在解析 後包埋法による検討の結果、rCLCA1分子は光顕的な検討結果と同様に、唾液腺の導管ことに線条部導管に多く局在することが分かった。また、細胞膜表面のみならず、細胞質内の膜生構造物(小胞体、ゴルジ装置など)に広範囲に局在していた。これらの結果は、rCLCA1分子の機能が単にクロライド・チャネルとしての機能に留まらず、細胞内の物質代謝の様々な局面に関与している可能性が示唆された。 2)薬物投与によるrCLCA1局在の変動解析 β作動薬であるisoproterenolの連続投与による過形成状態の耳下腺や顎下腺に対して光顕的な免疫組織化学染色を行い、rCLCA1の局在を対照ラットと比較した。isoprotereno1投与群では、腺房細胞の過形成が生じ、相対的萎縮のみられた導管系では、rCLCA1の陽性像が著しく減弱した。 rCLCA1に対して特異的に設計されたsiRNA投与2日後、rCLCA1タンパクの導管系における局在は、対照群と比較し著しく減弱した。このときの唾液のイオン組成にも有意な変動がみられ、導管系の膜表面に局在するrCLCA1分子はクロライド・イオンの再吸収に関与していることが強く示唆された。この成果を、下記のように専門誌に投稿・掲載された。 3)癌細胞株におけるrCLCA1局在 DSL6Aを始めとする複数の癌細胞株には、rCLCA1の蛋白レベルでの発現はみられなかった。遺伝子導入の技法により一時的な強制発現をいくつかの方法・条件で試みたが、これも奏功しなかった。rCLCA1遺伝子を含まないmock vectorの導入には成功したので、標的遺伝子は細胞内に導入されるが、遺伝子の発現を抑えられる何らかの状況が存在するものと考えられた。
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Research Products
(1 results)