2007 Fiscal Year Annual Research Report
硬組織石灰化異常に関連した変異アルカリホスファターゼの分子細胞生物学的解析
Project/Area Number |
18592027
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
織田 公光 Niigata University, 医歯学系, 教授 (10122681)
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Keywords | 石灰化 / アルカリホスファターゼ / 低ホスファターゼ症 / 骨代謝異常症 / 疾患発症メカニズム |
Research Abstract |
1. 血液中に微量存在する組織非特異型アルカリホスファターゼと免疫グロブリンの複合体を特異的に認識するアッセイ系を樹立した(雑誌論文1).今後この複合体の出現と疾患との相関から臨床応用が期待される. 2. 組織非特異型アルカリホスファターゼを特異的に認識するモノクローナル抗体を作製した.本モノクローナル抗体は骨由来の酵素よりも肝臓由来の酵素により特異的であることから血清中のアルカリホスファターゼ活性の鑑別に役立つことが期待される(雑誌論文2). 3. 重症の低ホスファターゼ症患者で報告されたミスセンス突然変異を有する組織非特異型アルカリホスファターゼ(Val406-Ala)を一過性発現系で、または条件安定株化細胞を樹立してその細胞生物学的な解析行った.その結果、本変異酵素は細胞表面に野生型とほぼ同じ速度で運ばれて局在するにも係わらず、変異の結果その活性が著しく低下していることを見だした.さらに、野生型酵素と変異型酵素をGPI(glycosylphosphtidylinositol)を欠く分泌型の酵素として培地中に回収後アフィニティークロマトグラフを用いて精製し、その酵素学的な検討により変異酵素の触媒効率の低下を明らかにした.また、406番目のバリンを他の疎水性のアミノ酸で置換することにより、406番目のアミノ酸が位置するクラウン領域の重要性を酵素の3次元モデルを踏まえて考察した(FEBS J.,2008投稿中). 4. 軽症の低ホスファターゼ症患者で報告されたミスセンス突然変異を有する組織非特異型アルカリホスファターゼ(Thr787-Cys)の解析を行ない、変異の立体構造への影響を見いだした(学会発表).
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Research Products
(15 results)