2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
戸田 孝史 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (40250790)
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Keywords | 口腔内立体認知 / 体性感覚皮質 / 一次体性感覚野 / 単一神経細胞記録 / SMI32 |
Research Abstract |
これまでの研究によって、中心後回一次体性感覚野の最外側部(口唇、舌などの口腔組織の再現がある)は、それより内側の手指の再現領域同様、前方から後方に向かうにつれて階層的に情報処理がなされていることが明らかになった。すなわち、受容野が前方の3b、1野から後方2野に向かうにつれて次第に大きくなり、構造的に離れてはいるが機能的に関連する口腔組織を含むようになる(例えば、舌尖と口唇正中部、上唇と下唇あるいは舌背と口蓋の対応する部分同士など)。今年度は、これまで得られたデータの解析をさらに進めた結果、前方3b、1野では、そのような複雑な受容野をつくる準備段階として、受容野の構成要素となる機能的関連部位の各々を近接したニューロンがコードする傾向があることもわかってきた。一方、上記3つの領野区分はブロードマンによりニッスル染色や髄鞘染色により決定されたものであり、手指の再現領域等では比較的明瞭であるが、より外側部の口腔組織再現領域では、1野と2野の区別が必ずしも容易ではない。そこで、今年度は、上記のデータ解析に加え、特定のニューロフィラメントを選択的に免疫組織学的に識別する方法(SMI-32に関する免疫組織染色法)を用い中心後回最外側部の領野識別を試みた。この方法は手指領域後方の2野と5野を区別するのに有用であるとの先行報告がすでにある(Lewis et al.1999)。脳ブロックは手指再現領域と口唇再現領域との境界付近から側頭裂までの範囲を切り出した後、厚さ50μmの凍結連続切片を作製した。一次抗体(1:5000)と4日間反応させた後、2次抗体との反応、ABC反応を経てDABにて発色させた。染色結果は良好であり、錐体細胞の尖塔樹状突起が主に染まった。今後、この標本とニッスル染色標本を比較することにより、領野識別の手がかりとなり得る所見がないかどうか精査する。
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Research Products
(1 results)