2006 Fiscal Year Annual Research Report
バソプレシン類似合成ペプチドの記憶増強作用とNMDA受容体のサブユニット発現解析
Project/Area Number |
18592040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
佐藤 友昭 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (10284887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 殷維 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10034191)
石田 喬之 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (20404501)
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Keywords | バソプレシン代謝断片 / NMDA受容体 / PCR / Morris Water Maze / 記憶 / 記憶増強 |
Research Abstract |
これまでの我々の研究により、バソプレシン代謝断片類似物質であるNC-1900は、グルタミン酸作動性神経系に存在する受容体である、NMDA受容体やGroup I mGluR 1/5の活性化によって生じる情報伝達系を介してその記憶増強作用を生じさせる可能性を示唆してきた。本年度は薬理学的行動実験においては、最初にMorris Water Mazeの課題を用いた、Cyclooxygenase酵素(COX)の阻害薬投与のモデルを使った。つまり、このCOX活性がグルタミン酸作動性神経系を介している機序を用いることによって、間接的にNC-1900のグルタミン酸作動性神経活性を確認することを試みた実験を行った。内因性COX阻害はグルタミン酸作動性神経活動による記憶増強を低下する。NC-1900投与はこのCOX阻害薬に投与によって生じる記憶成績の低下を抑制した。これらについての詳細は、本申請年度に研究業績として、3報の国際英文雑誌に掲載が決定したので、次ページ以降に業績として報告する。また同様に、Morris Water Maze課題において、NC-1900や他のバソプレシン代謝断片を課題遂行前に投与し、課題獲得率が上昇したもの(成績が良かったもの)について、全脳摘出後の海馬部分を使い、Acid Guanidinium Thiocyanate-Phenol-Chloroform(AGPC)法を用いて、total mRNAの抽出を行っており、ランダムプライマーを用いたfirst cDNA作成を行っている。また、申請時に稼働予定であったReal time PCR装置である、ABI PRISM 7700が稼動不能となった。それゆえ、house keepingのmRNAに対するNMDA受容体サブユニットのmRNA発現比の検討を行っている。
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Research Products
(3 results)