2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高見 正道 昭和大学, 歯学部, 講師 (80307058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
山田 篤 昭和大学, 歯学部, 講師 (50407558)
須澤 徹夫 昭和大学, 歯学部, 講師 (60271285)
宮本 洋一 昭和大学, 歯学部, 助教授 (20295132)
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Keywords | 破骨細胞 / 樹状細胞 / 骨代謝 / 免疫 / 骨破壊 / 遺伝子 / 細胞分化 / 炎症 |
Research Abstract |
【目的】難治性疾患である関節リウマチでは、樹状細胞やT細胞などの免疫細胞の活性化に伴って骨や軟骨が破骨細胞によって破壊される。本研究の目的は、マイクロアレイを用いて前駆細胞を共有する破骨細胞と樹状細胞の分化の振り分けに関与する調節因子を同定し、その生理機能を解明することである。 【方法】分化途中の破骨細胞の前駆細胞におけるmRNAの発現レベル変化はマイクロアレイ(Affymetrix社)により解析した。前駆細胞へのDOF1 cDNAの導入および強制発現にはレトロウイルスを用いた。DOF1ノックアウトマウスの骨組織の構造はマイクロCTを用いて解析した。NFATc1の転写活性はLuciferaseアッセイ法を用いて評価した。 【結果】破骨細胞の前駆細胞を破骨細胞分化誘導因子(RANKL)で刺激し、その後のmRNAの発現レベルを網羅的に解析した。その結果、破骨細胞分化初期に発現レベルが大きく低下する既知の転写調節因子を見いだし、DOF1と名付けた。一方、樹状細胞分化においてDOF1 mRNA発現レベルは上昇した。DOF1を破骨細胞の前駆細胞に強制発現させると、破骨細胞への分化は完全にストップした。DOF1ノックアウトマウスの骨組織を解析したところ、重篤な骨粗鬆症が雌雄の差なく認められた。DOF1ノックアウトマウスから調整した前駆細胞は、通常よりも極めて低濃度の分化誘導因子による刺激で破骨細胞に分化した。また、DOF1は破骨細胞分化に必須の転写因子であるNFATc1の転写活性を完全に抑制した。 【考察】DOF1は破骨細胞分化を負に制御する転写調節因子であり、分化初期にこの発現レベルが低下することが破骨細胞分化を進行させるための必須条件であると考えられる。従ってDOF1のノックアウトマウスでは、破骨細胞分化の抑止力低下によって破骨細胞形成が促進された結果、骨粗鬆症を発症したものと思われる。さらに、破骨細胞分化の誘導に必須であるNFATc1の転写活性を抑制することがDOF1による破骨細胞分化抑制のメカニズムであると推察される。
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Research Products
(6 results)