2006 Fiscal Year Annual Research Report
BMPによる骨芽細胞の分化誘導におけるエピジェネティック制御機構の解明
Project/Area Number |
18592048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (80245802)
宮本 洋一 昭和大学, 歯学部, 助教授 (20295132)
高見 正道 昭和大学, 歯学部, 講師 (80307058)
山田 篤 昭和大学, 歯学部, 講師 (50407558)
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Keywords | BMP / DNAメチル化 / ヒストンの翻訳後修飾 / アセチル化 / 脱アセチル化 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
骨誘導因子(bone morphogenetic protein, BMP)は、筋組織中で異所性骨形成を誘導する生理活性物質として骨基質から発見された成長因子であるが、今日では、生理的な骨形成にきわめて重要な役割を果たしていることが明らかとなり、医学、歯学の幅広い分野で、BMPを用いた骨組織再建の可能性が検討されている。しかし、ヒトはBMPに対する感受性が低く、実際の臨床応用には至っていない。従って、今後BMPによる骨組織再建を実現するためには、BMPに対する感受性がヒトで低下している原因を明らかすると共に、BMP活性を促進する方法を開発しなくてはならない。 一方、細胞世代を越えて継承されうる、塩基配列の変化を伴わない遺伝子機能調節機構、すなわちエピジェネティック制御が様々な細胞の分化との関連から注目を集めている。本研究では、BMPの生理活性発現機構を、エピジェネティック制御の中心であるDNAのメチル化とヒストンの翻訳後修飾に焦点を当てて解明し、その成果をもとにエピジェネティックスを応用したBMP活性促進法を新たに確立する事を目的として研究を遂行することとし、本年度は以下の研究を行った。 (1)破骨細胞の分化に重要な役割を果たしている転写因子NFAT2、TNF-α、calcitonin receptorのプロモーター領域のヒストンH3、H4のアセチル化、脱アセチル化を解析した。その結果、NFAT2プロモーターのヒストンH3のアセチル化が促進していることが明らかとされた。 (2)ヒトあるいはマウス由来の骨髄間葉系細胞株にっいてBMP-2感受性を検討し、それぞれのBMP-2感受性に隔たりがあることを確認した。これら感受性の異なる細胞株について、Chip assayを併用したmicroarrayを行い、BMP-2感受性とエピジェネティック制御の関わりを検討する予定である。
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Research Products
(7 results)