2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592049
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮本 洋一 Showa University, 歯学部, 准教授 (20295132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 竜太郎 昭和大学, 歯学部, 教授 (70233939)
須澤 徹夫 昭和大学, 歯学部, 講師 (60271285)
高見 正道 昭和大学, 歯学部, 講師 (80307058)
山田 篤 昭和大学, 歯学部, 講師 (50407558)
赤池 孝章 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20231798)
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Keywords | 軟骨細胞 / -酸化窒素 / 活性酸素 / NADPH-oxidase / 細胞外マトリクス / pH |
Research Abstract |
ガス状フリーラジカルの一種である一酸化窒素(NO)は、細胞内、細胞間のシグナル分子として機能する。我々は、硬組織構成細胞におけるNOの役割をNO由来の活性窒素種に依存した生体分子の化学修飾に注目して研究している。本研究遂行の結果、炎症性サイトカインで刺激された軟骨細胞でNO産生とNADPH-oxidase活性に依存したスーパーオキサイドラジカル(02-)産生の両方の亢進が起こり、軟骨細胞死や細胞外基質の異化が亢進することを明らかにした。両ラジカル種の反応産物であるパーオキシナイトライト(ONOO-)は化字的反応性に富む活性窒素種で、ミトコンドリア傷害による細胞死をもたらすことを明らかにした。一方、これまで軟骨細胞におけるNADPH-oxidaseの発現および活性の制御はほとんど不明であった。我々は本年度、インターロイキン-1(IL-1)で刺激された軟骨細胞で、TRAF6を介してNF-κBが活性化されNADPH-ox idaseの触媒ユニットであるNOX-2の発現が誘導されることを明らかにした。さらに、IL-1刺激後のNADPH-oxidase活性に依存したプロテオグリカンの減少は細胞内外のpHの低下によるビアルロニダーゼ活性の上昇が原因であることを突き止めた。種々の阻害剤の検討から、このpHの変化にはモノカルボン酸トフンスポーター(粥CT)が重要な役割を果たしていることが示唆された。MCT阻害によりIL-1刺激後の軟骨細胞死が抑制されたが、興味深いことに、この時、誘導型NO合成酵素およびNOX-2の発現が低下していた。このことは、活性窒素種ならびに活性酸素種を介した細胞機能の調節にpH変化が重要な役割を果たしているばかりではなく、pH変化が活性窒素種ならびに活性酸素種の産生を調節することを示唆する。 今後、酸化ストレスとpHの関係をより詳細に解析したい。
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