2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592055
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大西 芳秋 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 生物機能工学研究部門, 主任研究員 (60233219)
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Keywords | 転写 / クロマチン / 生物時計 |
Research Abstract |
昨年度、グルココルチコイド刺激により唾液腺細胞(HSG)のBmal1遺伝子が概日リズムを持って発現することがRT-PCRにより確認された。本年度においては上流約700bpを含むBmal1遺伝子プロモーターにより転写されるルシフェレース遺伝子を持つプラスミドを唾液腺細胞(HSG)に導入し、リアルタイムレポーター測定を行った。その結果レポーター遺伝子の概日リズム発現が観察されたことより、唾液腺細胞(HSG)におけるBmal1遺伝子の概日リズム発現は転写レベルで調節されており、その調節領域は今回用いたプロモータ領域中に存在することが判明した。さらにMH3T3細胞を用いた実験よりBmal1遺伝子プロモーター領域のクロマチン構造は非常にユニークな構造をしており、DNAは低メチル化状態にあることが示唆された。唾液腺細胞(HSG)を用いてBisulufite法によるDNAメチル化解析を行ったところ、唾液腺細胞(HSG)においてもBmal1遺伝子プロモーター領域は低メチル化状態であることが判明し、MH3T3細胞と同様に、ユニークなクロマチン構造をとっている可能性が示唆された。 また昨年度BMAL1により転写活性化される主要時計遺伝子の1つであるPer2遺伝子の転写調節機構を解析したところ、BMAL:CLOCKによるE2-boxを介した転写活性化以外にE4BP4による転写抑制が必要であることを明らかにした。このE4BP4による転写抑制機構は、肝臓におけるトランスポーター遺伝子Mdr2の概日リズム発現においても関与していることが示唆された。よってE4BP4による転写抑制機構は多くの組織に存在する普遍的な概日リズム転写調節機構である可能性が考えられる。
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Research Products
(3 results)