2007 Fiscal Year Annual Research Report
MRIの歯科領域への応用に関する研究:高分解能MRIによる下歯槽神経の画像診断
Project/Area Number |
18592059
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
倉林 亨 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60178093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 教夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70220704)
大林 尚人 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (40176988)
小村 健 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10334434)
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Keywords | MRI / 顎骨 / 口腔 |
Research Abstract |
今年度は、下歯槽神経血管束を描出するためのMRI画像の最適化に関する研究を前年度から継続して行った。高精細な下歯槽神経の描出のために、内耳の評価に利用されているCISS法をmodifyしたシークエンスが利用できることをすでに前年度に確認していたが、今年度は撮像のパラメータを更に工夫した結果、画像のコントラストとSN比とを大幅に改善することができた。次に得られた画像をDICOM変換してCTコンソールに転送を行い、既存のCT用Dentascanプログラムを使用して曲面MPR処理を試みた。このMRI-MPR(CPR)画像について3名の観察者が5-Point scaleにて主観的評価を行ったところ、すべての項目において3点以上の評価であり、充分臨床に利用できるものと考えられた。しかし現在のところやはり解像度に関してはMDCTと同等とまでは言えないため、次年度も引き続き最適化についての検討を行う予定である。 一方最近になって、生体内部の水の拡散の異方性を利用した拡散テンソル画像を基に巨視的な神経線維の走行を三次元的に描出する新しい試みが、中枢神経領域において報告されている。これは水の拡散が神経線維の走行に沿った方向には拡散しやすく、直交する方向に拡散しにくい現象を利用して、種々の方向からMPGを印加した上で繰り返し撮像を行い、神経線維の方向を解析し画像化するものである。この拡散テンソルに基づく診断法はFiber tracking法と呼ばれており、中枢神経領域においては、神経の走行だけでなく病的変化も表示できることが期待されている。そのため今年度より上述したCISS法による診断に加えて、Fiber tracking法を下歯槽神経の診断に応用できる可能性についても検討を開始した。
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