2006 Fiscal Year Annual Research Report
炎症におけるプロスタサイクリンの役割とその作用機序の解明
Project/Area Number |
18592060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
横山 知永子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, COE拠点形成特任教員 (90200914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 育男 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60100129)
中浜 健一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 淮教授 (60281515)
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Keywords | プロスタグランジン / プロスタサイクリン / 腎臓 / 炎症 / 血管障害 |
Research Abstract |
プロスタサイクリン(PGI_2)は、血小板の凝集抑制作用、平滑筋の弛緩作用、細胞増殖制御能を持つ強力な生理活性脂質で、リン脂質からボスホリパーゼA2によって切り出されたアラキドン酸にシクロオキシゲナーゼが作用し、産生されたプロスタグランジン(PG)H_2からPGI_2合成酵素によって産生される。これまでの細胞レベルならびにPGI_2合成酵素遺伝子破壊によるPGI_2欠損マウスを用いた個体レベルでの解析によって、PGI_2が心血管系の恒常性維持に重要な役割を担っていることを示し、またPGI_2が炎症や免疫に関与している可能性を見出してきた。そこで、本研究ではPGI_2の炎症における役割と作用機序を、PGI_2欠損マウスやその細胞を用いて明らかにすることを目的とした。 PGI_2欠損マウスの腎障害の発症進展に対するPGI_2誘導体ベラプロストナトリウムの効果を検討したが有意な抑制効果は認められなかった。そこでPGI_2欠損マウスと微量にPGI_2合成酵素を発現するトランスジェニックマウスの交配によりPGIS-KOxTGマウスを作成し、経時的に血中尿素窒素レベルをモニターした。その結果PGIS-KOxTGマウスで有意な尿素窒素レベルの低下が観察され、内因性のPGI_2は、腎障害の進展を押さえ、抗炎症的に作用している可能性が強く示唆された。
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