2006 Fiscal Year Annual Research Report
IGA腎症と多量体免疫グロブリンレセプターの点突然変異に関する研究
Project/Area Number |
18592071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
浅野 正岳 日本大学, 歯学部, 講師 (10231896)
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Keywords | IgA腎症 / 多量体免疫グロブリンレセプター |
Research Abstract |
ヒト多量体免疫グロブリンレセプター(polymeric immunoglobulin receptor ; pIgR)の細胞外領域における580番目のアラニン残基からパリン残基への変異の導入を宝社製のin vitro mutagenesis kitを用いて作成した。点突然変異が正しく導入されていることを教室現有のMegabase1000 DNA sequencerを用いて確認した。こうして得られたmutant pIgRをmammalian expression vectorであるpMKIT-neo vectorに挿入した。wild type pIgRに関しても同様にpMKIT-neo vectorに挿入した。両vectorを用いてタンパク質の発現が得られるか否かを検討した。すなわち、HeLa細胞にInvitrogen社製のLipofectamine plus試薬を用いて一過性にtransfectionを行った。Transfectionは37℃のCO_2 incubatorにおいて6時間行った後、10% FCS-DMEM培地で洗浄し、さらに48時間培養した。negative controlとしてpT7-blue vectorを用いてtransfectionしたものを作成した。Transfection後、細胞をPBSで洗浄した後、0.5%TritonX-100/TBSを用いて細胞溶解液を作成した。細胞溶解液を8% SDS-PAGEにapplyし、通法に従ってWestern transferを行った。Western blottingは1次抗体としてウサギ抗ヒトsecretory component抗体(1,000倍希釈)を、また2次抗体としてヤギ抗ウサギIgG抗体(5,000倍希釈)を用いた。その結果wild type pIgR, mutant pIgR共に良好なタンパク質発現が認められた。またnegative controlでは何らバンドは検出されなかった。タンパク質の発現が極めて良好であったことから、この一過性のtransfection法を用いてさらに実験を行った。始めにpIgRの発現をmetabohc labelに続く免疫沈降法で確認できるか否かを検討した。transfection後の細胞を含硫アミノ酸を欠失させた培地で約15分間培養しstarvationさせた。^<35>S-methionineを含む培地でさらに培養し1時間metabolic labelを行った。Label後の細胞を10% FCS-DMEM培地で培養し、細胞溶解液および培養上清を回収した。それぞれにウサギ抗ヒトsecretory component抗体を加え1時間、4℃においてrotateした。さらにprotein G-sepharoseを加えrotateし、遠心操作によりピーズを回収した。ビーズを細胞溶解液またはPBSにて3回洗浄後、8% SDS-PAGEにapplyした。この結果、wild type、mutant共にmetabolic labelに続く免疫沈降法で検出されることが確認された。培養上清中に分泌されたfree secretory componentの量を比較したところ、両者に差は認められなかった。
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