2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592074
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
加藤 千穂美 The Nippon Dental University, 新潟生命歯学部, 講師 (00147860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 正人 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (90173997)
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Keywords | 免疫 / 感染 / 加齢 / BCG |
Research Abstract |
生体は加齢に伴い、Th-1型よりTh-2型優位の液性免疫優位に傾く。多くの感染症において細胞傷害性T細胞の働きに加え、活性化マクロファージ(MΦ)の協力が防御に当たることが多い。老齢や術後感染は常在菌による日和見感染が多いことから、その対策の指標として細胞性免疫の賦活化が重要と考えられる。そこで一般的に細胞性免疫の賦活化剤であるBCGを使いICRマウス腹腔を感染の場として、非免疫・免疫時でも残存するPorphyromonas gingivalis(Pg)の感染および免疫動態を経時的に明らかにすることを目的とした。本年度は6〜7週齢雄若齢マウスに1×10^7BCGで免疫し加齢の影響、ことにBCGの賦活効果の持続について検討した。免疫3週間、6〜8か月ならびに12〜14か月後に非免疫と免疫マウス群に1×10^9CFU Pg(381株)を投与後、経時的に回収した腹腔滲出液を培養し生菌数を求めた。また腹腔滲出細胞(PEC)内のPgをPCRにより判定した。更にNOの測定、IFN-γなどの各種サイトカインを測定した。その結果、1)若齢マウス群ではBCG免疫群において24時間以内にPgの消失が見られたが、中間齢、老齢マウス群では非免疫と免疫群で差がなかった。2)NO産生はすべての群で低く、若齢マウス群のBCG免疫群で24時間後有意に高かった。3)IFN-γは全ての群でBCG群が高く、6時間後にピークを示した。4)IL-1βは若齢マウス群のBCG免疫群で6時間後に有意に低かった。5)IL-12は若齢マウス群のBCG免疫群で12〜24時間後に有意に高かったが、中間齢、老齢マウス群では両群で差がなかった。これは加齢に伴う細胞性免疫の低下の一因だと考えられる。以上の結果より、若齢期におけるBCG免疫は細胞性免疫の誘導剤として優れたワクチンであるが、加齢にともないその効果の持続は期待できなくなると考えられた。
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