2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス肝炎患者および易感染性患者の歯科治療における院内感染対策に関する研究
Project/Area Number |
18592081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安倍 敏 Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 助教 (10222647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 正志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10005069)
遠藤 達雄 東北大学, 病院, 講師 (20168826)
平田 政嗣 東北大学, 大学院・歯学研究科, 大学院非常勤講師 (70312593)
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Keywords | 院内感染 / 病院感染 / 消毒 / 滅菌 / 針刺し / 歯科用ユニット |
Research Abstract |
1.歯科用ユニットのタービンハンドピース、エンジン、超音波スケーラー、スリーウエイシリンジおよびうがい用に供給される水には、100CFU/ml以上の微生物が存在することを報告してきた。歯科用ユニットの2mm程度のチューブ内の水中で微生物が生存する原因を調査するため、ユニット内部の残留塩素濃度を調査した。ユニットに流入する直前の水の残留塩素濃度は0.2〜0.8mg/Lであったが、診療開始時のユニットから供給される水の残留塩素濃渡は0mg/Lであった。ユニット内部で塩素が消費されていた。ユニット水の残留塩素濃度が、日本水道法の基準値である0.1mg/Lを上回るためには、300ml程度のユニット水を放流させる必要があった。 2.歯科診療行為に伴う院内感染として、針刺し事故がある。注射後の針には血液が付着しており、それがB型あるいはC型ウイルス肝炎患者の血液であれば、その針を医療従事者が誤って、自分の手指に刺せば、医療従事者に感染が生じる危険性がある。針刺し事故は、医療行為中に少なからず発生している。そこで、東北大学歯学部附属病院における過去5年間の針刺し切創・血液暴露事故調査を行い、次のような結果を得た。1)過去5年間に54件の針刺し事故発生の報告があり、その44%が経験年数1年未満であった。明らかに経験の浅い従事者に頻度が高かった。2)受傷器具は注射針、縫合針が最も多かったが、次いで歯石除去に使用するスケーラーチップが多く、歯科独自の器具による事故が発生していた。3)歯科用ユニットに装着された状態のスケーラーチップやバー・ポイントによる受傷が多いことから、これらの使用後は直ちに歯科用ユニットから撤去することが必要である。
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Research Products
(2 results)