2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592082
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 達雄 Tohoku University, 東北大学病院, 講師 (20168826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹崎 弘己 東北大学, 病院, 講師 (90133991)
安倍 敏 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (10222647)
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Keywords | コンポジットレジン / 接着強さ / セルフエッチィング / 重合阻害 / エナメルエッチング / anion exchange resin |
Research Abstract |
セルフエッチィングタイプボンディングシステムと化学重合型コンポジットレジンの組み合わせにおける象牙質面およびエナメル質面への接着に与える酸素による重合阻害の影響について検討した。 【材料および方法】種々の条件下でヒト抜去歯象牙質およびエナメル質表面への接着強さを測定して大気中の酸素によって引き起こされるレジンの重合阻害による接着強さへの影響について検討した。コントロール群として1.大気中でセルフエッチィングタイプボンディングシステム(i-Bond)を適用後、化学重合型コンポジットレジン(Core Paste)を象牙質面もしくはエナメル質に接着させる。対照群として、2.重合阻害されているボンディング材の表層をエタノールで拭き取る。3,4.窒素ガス雰囲気中あるいはグリセロールでボンディング材を覆った状態でボンディング材を重合させる。5,6.ボンディング材を重合後、1分間もしくは5分間グリセロールで被覆する。7,8.化学重合型コンポジットレジンを充填する前にさらに-層の介在レジンを適用させる。この介在レジンに未重合ボンディングシステムに残留する酸性モノマーを中和する効果のあるレジン(0,8%anion exchange resin)を混合して用いる。 【結果】セルフエッチィングタイプボンディングシステムに酸素による重合阻害が残留する条件下では、接着強さの低下が顕著であった。 【考察および結論】ボンディングシステムを大気中で重合させると、ボンディング剤に未重合部分が残留して接着強さを低下させる原因となる。特に象牙質面に対しては、象牙質中に含まれる水中に酸素が溶け込んでいるために、象牙質側と大気中に曝されている側の双方から影響を受ける。ボンディング材中に残留する未重合部分は、その後充填するコンポジットレジンの重合にも影響を与えている。 介在レジンに未重合ボンディングシステムに残留する酸性モノマーを中和する効果のあるレジン(8%anionexchange resin)を混合して適用後に化学重合型コンポジットレジン(Core Paste)を象牙質面もしくはエナメル質に接着させることによって、酸素による重合阻害の影響を回避することが可能であることが示された。
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