2006 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質・歯髄複合体の修復再生機構-歯髄組織幹細胞の同定と細胞動態の解析-
Project/Area Number |
18592085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉羽 邦彦 新潟大学, 医歯学系, 助手 (30220718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉羽 永子 新潟大学, 医歯学系, 助手 (10323974)
細矢 明宏 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (70350824)
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Keywords | 象牙質・歯髄複合体 / 再生 / 組織幹細胞 / TIMPs / α-SMA / BrdU / 直接覆髄 |
Research Abstract |
歯の発生ならびに象牙質・歯髄複合体の修復・再生過程における組織幹細胞/前駆細胞の動態と細胞分化機構を解明する目的で、マウス歯の発生過程におけるTIMP-2とperiostinの発現、ラット臼歯発生過程におけるα-SMAの局在、ならびにラット臼歯直接覆髄後の被蓋硬組織形成過程における細胞動態について検討を行った。 1.マウス歯の発生過程におけるTIMP-2とperiostinの発現 基質リモデリングへの関与が示唆されているperiostinとTIMP-2の関連性を解明する目的で、歯の発生過程におけるこれらの発現を観察した。その結果TIMP-2は歯肉、歯周靭帯などメカニカルストレスのかかる組織の細胞外基質に関連して局在し、periostinの分布と一致していることが明らかとなった。 2.ラット臼歯発生過程におけるα-SMAの局在 α-smooth muscle actin(SMA)は幹細胞/前駆細胞で発現が認められる細胞骨格タンパクで、様々な組織の発生・再生過程に見出されている。歯の発生過程におけるα-SMAの局在を免疫組織化学的に検索した結果、α-SMAは歯槽骨の形成とともに歯小嚢で認められ、その後歯槽骨寄りの歯小嚢細胞に持続的に観察されることから、歯小嚢細胞の骨芽細胞への分化に関連していることが示唆された。 3.ラット臼歯直接覆髄後の被蓋硬組織形成過程における細胞動態 ラット臼歯にMineral Trioxide Aggregate(MTA)による直接覆髄処置を施し、その後の歯髄修復過程における細胞動態について5-bromo-2'-deoxyuridine(BrdU)抗体法を用いて検索した。その結果、硬組織形成はMTAと歯髄組織との界面部に形成される歯髄(石灰化)変性層に、露髄部周辺で増殖した細胞が遊走し、その後象牙芽細胞へと分化することで開始されることが示唆された。
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