2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能性モノマーの分子構造とアパタイト表面における化学的相互作用との関連性
Project/Area Number |
18592088
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小河 達之 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (10346421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 靖弘 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90281162)
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30050058)
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Keywords | 機能性モノマー / 4-MET / 10-MDP / アパタイト / 硬組織 / XPS / NMR / XRD |
Research Abstract |
本研究では,酸や機能性モノマーの分子構造とアパタイト表面における化学的相互作用との関連性について分子レベルで解析することを目的とする。本年度は,歯科治療で用いられている機能性モノマーの内,Phenyl-Pと10-MDPについて,アパタイト表面に対しどのように作用するかを検討した。 1)X線光電子分光法(XPS) アパタイトプレートと各種モノマーをエタノールと水の混溶媒で反応させ,その後,超音波洗浄した試料を作製し,XPSにより機能性モノマーとアパタイトとの結合状態を化学的に分析した。その結果,10-MDPに関しては,アパタイトに吸着した分子と未反応の分子とではClsピークの波形に違いがあることが明らかとなった。今後,理論的解析を含めた詳細な分析を行う予定である。また,Phenyl-Pはアパタイト表面に吸着・残存せず,処理後のClsピークもPhenyl-P本来の波形と大きく異なっていた。これは,アパタイト表面に吸着したPhenyl-Pが分解した可能性も含んでおり,Phenyl-Pの安定性に関する詳細な検討も必要となった。 2)固体核磁気共鳴(31P MAS NMR)およびX線回折(XRD) アパタイト粉末とPhenyl-Pをエタノールと水の混溶媒で反応させた試料を作製し,出来た反応性生物を遠心分離,乾燥した後,粉末XRDにより試料の結晶相の同定を,固体NMRにより試料の分子構造の解析を行った。その結果,Phenyl-Pはアパタイト表面に吸着し,表面のカルシウムと結合したものが溶液中に解離することにより,アパタイト表面の脱灰を促進することが示唆された。
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