2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白井 憲一 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (20325179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 真 広島大学, 病院・助手 (60379881)
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Keywords | シランカップリング剤 / XPS / シラノール基 / フィラー |
Research Abstract |
現在用いられている歯科用コンポジットレジンはフィラーとメタクリレート系等のレジンから成る複合材料であり、両者の界面における親和性および結合性の良否がコンポジットレジンの機械的性質に大きな影響を与えることが知られている。しかし、フィラー・マトリックス界面に介在するシランカップリング剤は水の侵入によって加水分解し、劣化を招くことが多数報告されている。故に、長期耐久性に優れた新規シランカップリング剤を理論に裏打ちされた設計をするために、フィラー配向側に官能基を1つしか持たずおよびフッ素を指標元素とできるシランカップリング剤、単分子結晶ガラスプレートを用い、X線光電子分光分析装置(XPS)にてシランカップリング剤とフィラーとの接着メカニズムの検討を行った。ガラスプレート表面洗浄を行った場合、未処理と比較して約2倍のシランカップリング剤がガラス表面と結合していた。これは洗浄により、汚染で覆われていたシラノール基の露出およびシリル基が酸化によりシラノール基へと変化したことによると考えられる。このことにより、フィラー表面のシラノール基がシランカップリング剤との結合に重要な役割を果たしていることが確認された。フイラー表面改質に焦点を絞り、シラノール基の数の増加を目的とする特定薬剤の検討も今後の課題の1つであることが明らかとなった。また、現在実際のシラノール基の数を数式を用い検討中である。吹年度はこの基礎的知見をもとに高性能シランカップリング剤の試作、具体的には官能基の種類および数等を検討。さらに試作コンポジットレジンを用い、劣化試験を行う。
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Research Products
(1 results)